鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

仕事は苦役?

[要旨]

働き方改革は、働くことが苦役という前提で、騒動時間を短縮することが目標にされていますが、本来、仕事は人を成長するものです。ただ、いわゆるブラック会社のままでは、言葉通り、労働力を搾取する場になってしまうので、経営者は注意が必要です。


[本文]

出版社のディスカヴァー・トゥエンティワン社長の干場弓子さんのご著書、「楽しくなければ仕事じゃない」を拝読しました。同書の中で、干場さんは、「働き方改革は仕事が苦役であるということを前提に、労働時間を短縮しようとしているが、仕事をすること成長することであり、人を幸福にする手段だ」と述べておられます。

この文章だけを読むと、干場さんが長時間労働や、ワークホリックになることを薦めているように感じられるかもしれません。でも、干場さんは、もちろん、そのようなことを述べているわけではありません。干場さんも、ブラック会社を肯定していません。干場さんが示唆しておられることは、会社が労働力を搾取する場所であってはならず、人が成長する場でなければならないということだと思います。

もちろん、業績のよい会社は、従業員の方が成長する場となっている会社であるということに間違いはありません。そうでなければ、より質の高い製品やサービスを顧客に提供することは困難だからです。一方で、中小企業経営者の方は、事業そのものに注意が向いてしまいがちなので、故意ではないものの、労働環境にあまり目が行かず、結果として、職場が搾取の場の状態になってしまうこともあるようです。

でも、その状態が続けば、前述のように、業績を下げてしまうことになり、従業員だけでなく、経営者にとっても望ましい結果にはなりません。19世紀の産業革命のころは、製品は製造すれば売れた時代だったので、「労働力を搾取」すればするほど、業績もそれに正比例したのでしょう。

でも、21世紀は、それは真逆です。とはいえ、干場さんのいうような、会社を成長の場にすることは、口で言うほと簡単ではないということも事実でしょう。それは。現在は、「ビジネス(事業)」より「マネジメント(経営)」に比重が大きくなっているということであり、経営者の方は、まず、そこに着眼しなければならなと、私は考えています。

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