鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

どうせ社長がなんでも決める

[要旨]

経営者の方の多くは、部下の意見を否定してしまいがちですが、いったんは、意見を出してくれた行為に感謝し、仮に、その意見が間違っているとしても、きちんと耳を傾けるという姿勢が、経営者の方にとっても、正しい結論を導き出すことにつながります。


[本文]


経営コンサルタント板坂裕次郎さんのブログを読みました。(ご参考→  )ブログの主旨は、顧問先の定例会議に板坂さんも参加して、進行係を務めた。会議では、社長が会社の新しい方針を説明したが、参加者からは、まったく意見が出なかった。その後、社長は別の用件があるため、会議を途中で離れたが、その後はそれまで黙っていた参加者たちが、水を得た魚のように話を始めるようになった。

このようなシーンは、どこの会社でも見られ、板坂さんの別の顧問先でも、普段から従業員たちに対して意見をききたいと言っている社長が、会議で発言した部下の意見をバッサリ切って、ダメ出しをした。その後、その部下は、「どうせ最後は社長が決めたようにしかならないのだから、わざわざ会議は開かず、すべて社長がひとりで決めればいい」と言っていた、というものです。

私も、サラリーマン時代は、最初から結論が出ている会議に何度も参加した経験がありますし、コンサルタントになってからも、顧問先の会議に参加して、板坂さんが見たものと同じような状況を何度も見てきました。そして、板坂さんや私だけでなく、ほとんどの人は、「会議で部下をバッサリ切る」ことはしてはいけないと考えると思うのですが、実際には、部下にダメ出しをしてしまう経営者の方が少なくないということも事実だと思います。

そういうことが起きてしまう理由は、ひとつだけではないと思うのですが、その最も大きな理由として考えられることは、経営者の方の多くは、部下の間違いを指摘することが経営者の役割だと考えているからだと思います。もちろん、事業経験の長い経営者から見れば、部下の考え方は浅はかと感じることはあると思いますが、そうであれば、最初から、経営者も、部下に意見を求めることはしなければよいと思います。

しかし、部下に意見を求めるのであれば、仮に、明らかに誤っている意見が出たとしても、まず、意見を出してくれたこと自体に感謝を示すべきでしょう。ところで、部下の意見を否定する社長の考えは、常に正しいのでしょうか?これについては、正しいとは限らないということも、多くの方が経験的に理解していると思います。そういう私も、正しいことばかりを述べているとは限りません。むしろ、誤っていることの方が多いかもしれません。

そう考えれば、経験年数や習熟度の違いがある相手であっても、意見を出してくれる相手の話は傾聴する価値はあるのではないかと、私は考えています。ビジネスの現場における判断は、必ずしも常に正しいわけではないのですから、そうであれば、他人の話に謙虚に耳を傾けるという姿勢が、判断の精度を高めていくことにつながると、私は考えています。

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