鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

よい借金と悪い借金

[要旨]

借金はすべて悪いものではなく、利益を得られるための借金は積極的に利用すべきです。


[本文]

数としては多くないのですが、本当は融資を受けたくないものの、事業活動に新型コロナウイルス感染症の影響を受けてしまったので、やむなく銀行から融資を受けることにした、という経営者の方の声をきくことがあります。そのような方がそう考えることにはそれなりの理由や事情があると思うのですが、いまでも「借金はしない方がいい」という考え方をしている人も少なくないように思います。

私は、これは不正確で、「悪い借金はしてはならないが、よい借金はどんどん受けた方がよい」と考えています。融資を受けることに否定的な方は、「悪い借金」をイメージしていると思います。そして、悪い借金は避けなければならないことには間違いないのですが、悪い借金とよい借金の区別をせずに、両方を同じものと考え、借金そのものを避けてしまうことは、もしその方がビジネスに関わる方であれば、残念なことだと思います。

では、悪い借金とよい借金の違いですが、これは明確な定義はないものの、私が銀行出身者の人たちとお話をしていて意見が一致する点は、借金をして、それを使った結果、それ以上のお金が得られるための事業に使う借金がよい借金で、その逆が悪い借金です。例えば、年間で5%の利益が得られる事業のために、1億円の融資を受けた場合、それはよい借金です。その融資の利率が1%であったとすれば、会社には400万円(=1億円×(5%-1%)が残ります。(ここで、事業リスクや、現在価値を求めるための割引率などの、さまざまな要因も検討しなければなりませんが、それらについては割愛します)

この、よい借金と悪い借金の違いは、分かりやすいようで、残念ながら、あまりよく理解していない人も少なくありません。しかも、借金に肯定的な人は、悪い借金ばかりしてしまい、借金に否定的な人は、よい借金をすべき機会を逃すということをしてしまいがちです。これからは、よい借金だけをする人がたくさん増えて欲しいと私は考えています。では、よい借金と悪い借金の見分け方を身に付けるにはどうすればよいかということですが、宣伝ですみませんが、私の書いた本を読んでいただきたいと思います。→ http://amzn.to/1M3mszZ

 

 

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