先日、ある経営者の方から、「これまで一
般の会社は、利潤追求を最優先する活動を
してきたが、これからは、CSV経営の考
え方を採り入れて、社会的課題を解決する
活動をしなければならない」というお話を
聴きました。
ちなみに、CSV経営については、私も、
以前、説明したことがあります。
(ご参考→ https://bit.ly/2QY7S6U )
このCSVという考え方は、米国の経営学
者のポーターによって、2006年に提唱
された概念なので、言葉としては新しいも
のですが、考え方そのものは新しくないと
私は考えています。
まったく同一とは言いませんが、日本に古
考え方と大きく変わらないと思います。
ただ、日本の経営者は新しい経営用語に弱
く、それを流行語のように使いたがるとい
う面があるのではないかと思っています。
しかし、今回、CSV経営について言及し
たのは、そのような批判をしようと考えた
からではありません。
CSVを意識しているかどうかは別とし
て、日本の会社の100%は、すでに、社
会的課題の解決に貢献していると、私は考
えています。
例えば、私は過疎化の進んでいる地域に住
んでいますが、最寄りのスーパーマーケッ
トは、その地域の買い物難民を増やさない
ようにすることを意識して、閉店せずに営
業を続けてくれています。
また、近隣にいくつか製造業の会社があり
ますが、それらの会社も、地域の雇用維持
に貢献し、近隣の方たちから感謝されてい
ます。
もちろん、それらの会社も「利潤の追及」
を最優先しているかもしれませんが、だか
らといって社会的課題の解決に何ら貢献し
ていないうことではありません。
しかしながら、前述のような経営者の方
は、「CSV経営を採り入れなければ、会
社の事業活動は社会的課題を解決すること
にならない」という前提で話をしているこ
とに、私は疑問に感じます。
民間会社といっても公器なのですから、そ
の会社の活動は、社会に貢献することにな
ることは当然です。
そのようなことに気づかない経営者の方が
いるとすれば、その方の経営する会社は、
何かを大きく見誤っているのではないで
しょうか?
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