鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

第5水準のリーダーシップ

米国のコンサルタント、ジェームズ・C・

コリンズの著書、「ビジョナリー・カンパ

ニー(2)飛躍の法則」を読みました。


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同書は、「1965年から1995年まで

にフォーチュン誌のアメリカ大企業500

社に登場した会社を対象に、組織的に調査

と選別を進めて、最終的に飛躍した会社を

11社見つけ出した」結果について述べら

れています。


そして、コリンズは、「よい会社を偉大な

会社に変えるために必要なリーダーシップ

の型を発見したとき、我々は驚き、ショッ

クすら受けた。


派手なリーダーが強烈な個性を持ち、マス

コミで大きく取り上げられて有名人になっ

ているのと比較すると、飛躍を指導した

リーダーは、火星から来たのではないかと

思えるほどである。


万事に控えめで、物静かで、内気で、恥ず

かしがり屋ですらある」(18ページ)と

述べていますが、私もこれを読んで、意外

だと感じました。


コリンズは、この、最高のリーダーシップ

を「第5水準のリーダーシップ」と呼んで

います。


だからといって、第4水準の経営者が、決

して劣っているわけではないとは思うので

すが、会社の業績をより高めるには、前述

のような、謙虚な経営者のリーダーシップ

が必要なのだということが分かりました。


繰り返しになりますが、コリンズは、「皮

肉なもので、権力のある地位にまでのぼり

つめる際に、原動力になることが多い、個

人的な野心は、第5水準のリーダーシップ

に必要な謙虚さと矛盾している。


そのうえ、取締役会には、押しが強い、並

外れた人物を選ばなければ、偉大な組織を

築くことができないとの、誤った信念があ

る場合が多い点を考えれば、第5水準の指

導者に率いられた組織がめったにない理由

も簡単に理解できる」(58ページ)と、

指摘しています。


私も、これまでは、「野心家」の経営者が

会社の業績を向上させていると思っていま

した。


でも、それは間違っており、さらに、詳細

は割愛しますが、その「野心家」の経営者

は、会社の業績に悪影響を与えている場合

もあるということが、同書には書かれてい

ます。


ここで、最近の日本で不祥事を起こした会

社を思い浮かべると、日産自動車やスルガ

銀行などにも、「野心家」がいたとも考え

られます。


本当のリーダーシップとはどういうものか

ということを、この本を読んで、改めて考

えさせられました。


そして、21世紀は、「経営の習熟度」が

業績の差になって現れる時代ですので、こ

の「第5水準のリーダーシップ」を、多く

の経営者の方に実践していただきたいと感

じました。




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