鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

融資の原資は元本保証の預金

先日、「デジタル金融」に関する、日本経

済新聞の記事を読みました。


(ご参考→ https://bit.ly/38nDhX7


この記事の主旨は、フィンテックについて

紹介するものです。


私もフィンテックの機能そのものは否定は

しませんが、現時点では、事業活動で発生

する資金需要の一部にしか応じることがで

きず、限界があるということは、これまで

何度か述べてきました。


ただ、最後の節に書いてあった、「ソー

シャルレンディング」については、注目す

べき手法であると思います。


「そもそも『預金を融資に回す』という事

業モデルそのものが壊れていくのかもしれ

ない。


フロリダ州のスタートアップ企業、ウォ

ーシー・ファイナンシャルが、2018年

1月に開始した『ウォーシー・ボンド』。


同社は債券発行を通じて消費者から集めた

資金を中小企業に融資する。


債券は最低投資単位が10ドルで、金利

年率5%、償還期限3年だが、違約金なし

でいつでも解約できる。


同社のように、お金の出し手と受け手を結

びつける、『ソーシャルレンディング』は

米国で増えている」


日本の銀行の融資の原資は預金であり、そ

の預金契約は元本保証であることから、銀

行が中小企業に融資をするときも、預金者

の目線を配慮し、慎重になるという面は否

定できません。


そのような観点から、これから、いわゆる

リスクの高い融資の需要が増えて行けば、

この記事の指摘する、「預金を融資に回す

という事業モデルそのものが壊れていく」

ということはあり得ると思います。


裏を返せば、日本で、「余裕資金は元本保

証を最優先する」という考えを持つ人が多

ければ、中小企業への融資はあまり伸びな

いかもしれません。


もし、そうだとすれば、それは国民性なの

で、事業をする方も、そのような環境を受

け入れなければならないのでしょう。


なお、ソーシャルレンディングの言葉の定

義は、私が知る限りでは明確ではありませ

んが、いわゆるクラウドファンディング

その一種であると思われます。


そして、金融庁は、ソーシャルレンディン

グに関する注意喚起をしていますので、実

際の投資にあたっては、十分ご注意いただ

きたいと思います。


(ご参考→ https://bit.ly/2Rz1RON

 

 



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