鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

債務超過の会社が融資を受けられた理由

先日、私の知人の経営者のBさん方から、

自社が債務超過であるにもかかわらず、銀

行から新規融資を受けることができたとい

う報告を受けました。


債務超過であるにもかかわらず、なぜ、新

たな融資を受けられたのかというと、その

直接的な答えはあまり難しくはなく、「借

換保証制度」を利用したからだそうです。


(ご参考→ https://bit.ly/2lLwCC2


Bさんの会社が受けた新規融資は、既存の

融資の借換が条件だったのですが、その額

は、借換対象の融資の合計額よりも多く、

かつ、毎月の返済額も少なくなったので、

資金繰りは楽になったそうです。


「それが借換保証制度の目的だ」と言われ

ればその通りなのですが、実務的には、こ

の制度保証は、融資の利用者からは申し込

みがしにくいようです。


確かに、借換保証制度によって、新規融資

は全額、または、80%が信用保証協会に

よって保証されるので、比較的安全な融資

ではあるものの、融資そのものは銀行が行

うものであり、事業の継続が不安定な債務

超過先への融資は避けたいという心理が銀

行に働きます。


そこで、借換保証制度があり、それは債務

超過の会社への融資も可能と分かっていて

も、その制度を利用して債務超過の会社と

の融資取引をすることには、及び腰の銀行

も少なくありません。


ですから、融資利用者からすると、自社が

借換保証制度を利用したいとは思っていて

も、銀行が同意してくれなければ、利用で

きるチャンスがなくなってしまう訳です。


では、Bさんが借換保証制度を利用できた

要因はどのようなものかというと、それは

つぎの2つです。


ひとつは、地域の1番手銀行をメインバン

クにしていたということです。


地域の1番手銀行と、2番手以下の銀行の

大きな違いは、2番手以下の銀行は、1番

手銀行の融資方針を見て融資をしていると

いうことです。


2番手以下の銀行に、融資判断の独自性は

まったくないのかというと、100%そう

ではありませんが、やはり、ある程度の規

模の会社に対しては、1番手銀行が融資を

しているから、自行も融資をするという決

め方をしていることも事実です。


これは、1番手銀行が融資をしていれば、

万一、その会社の事業が傾いても、1番手

銀行が支えてくれるという安心感があるか

らです。


したがたって、前述の、債務超過の会社へ

の融資に及び腰になるということは、2番

手以下の銀行には多く見られますが、1番

手銀行の場合は、地域の会社を支えるとい

う使命感も高いので、2番手以下の銀行の

ように及び腰になることはあまり多くない

と思います。


ふたつめは、銀行へ数か月に1度の頻度で

訪問し、自社の担当者と面識を作っておい

たことです。


Bさんの会社の場合、銀行に訪問したとき

に、債務超過ではあるものの、売上が増え

ているということを担当者に伝えていたた

め、銀行側から借換保証制度の提案を受け

たということです。


Bさんのように、銀行から提案を受けられ

るようになるためには、1回や2回程度し

か会ったことがない場合は、難しいでしょ

う。


銀行職員の心理からすれば、ある程度、信

頼できる相手、すなわち、銀行から提案を

すれば、それに積極的に応じてくれそうだ

と確信を持てなければ、提案はしにくいも

のだからです。


Bさんは、営業マンのキャリアが長いこと

もあり、銀行職員とも信頼関係が必要と考

えていたことから、定期的な訪問を行って

いたため、借換保証制度の提案を受けるに

至ったのだと思います。


今回はBさんの事例をご紹介しましたが、

銀行職員との信頼関係が奏功した例として

ご参考にしていただきたいと思います。

 

 

 

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●9月13日開催融資勉強会のお知らせ

 

私が銀行出身のコンサルタントということ

もあり、頻繁に、士業の方、開業予定者の

方、保険会社の方など多くの方から、融資

に関するお問い合わせがよせられています。


そこで、これまで受けたお問い合わせなど

を交えながら、融資に関する勉強会を開く

ことにしました。


■日時 9月13日(金)

19時00分~21時00分


■会場 新宿アントレサロン


東京都新宿区新宿2丁目12番13号

東京メトロ丸ノ内線副都心線、及び、都

営地下鉄新宿線新宿三丁目駅」C8出口

より徒歩1分


地図→ https://bit.ly/16cEDSR


■参加費 1,000円(消費税込み)

当日、会場でお申し受けします。


■申し込み方法

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