鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

島根銀行へのSBIグループの出資

9月6日に、島根県松江市に本店のある、

第二地方銀行協会加盟銀行の島根銀行が、

SBIグループから出資を受けることを発

表しました。


(ご参考→ https://bit.ly/2lE6Wrf


これについて、朝日新聞は、「SBI本体

が地銀に出資するのは初めてで、同社が構

想する『地銀連合』の実現に向けた第一歩

となる」と報道しています。


(ご参考→ https://bit.ly/2lZn5rb


しかし、私は、今回の出資の公表について

は、次のような疑問を感じます。


すなわち、SBIグループが「地銀連合」

を目指すなら、なぜ、このタイミングで、

島根銀行1社だけへの出資に踏み切ること

を公表したのかということです。


本来は、地銀連合を実現させようとするの

であれば、複数の地方銀行と合意をした上

で公表することの方が自然です。


それを1社だけに対する出資する時点で公

表したのは、島根銀行の救済が本当の目的

だということが、私の見立てです。


島根銀行は、出資の受け入れと同時に、

2019年9月期中間期の業績予想を下方

修正しており、それによれば、連結ベース

で、経常利益が、1億8,000万円の黒

字から、19億1,000万円の赤字にな

る見込みです。


この、業績の下方修正は、含み損を抱える

有価証券の売却(約17億円)、店舗等の

閉鎖による固定資産の減損(約2億円)が

主な要因のようです。


いずれも、人為的な損失計上とはいえ、早

晩、表面化するものであり、これも私の想

像ですが、監督官庁金融庁からの働きか

けがあったのではないかと思います。


そもそも、銀行法第52条の9では、銀行

の20%以上の議決権を取得しようとする

会社は、内閣総理大臣(≒金融庁長官)の

認可を受けなければなりません。


今回の島根銀行への出資によって、SBI

グループは同行の34%の議決権を取得す

ることになるため、金融庁長官の認可が必

要になります。


それを現時点で公表したということは、少

なくとも、すでに、金融庁から内諾を得て

いるということでしょう。


むしろ、島根銀行が含み損を表面化させて

赤字に転落するタイミングで、その影響を

和らげるために、金融庁SBIグループ

に出資を働きかけたのではないかと、私は

予想しています。


すなわち、島根銀行は、2019年3月期

の融資額が約2,880億円と、地方銀行

の中では、最下位のグループにあり、その

銀行が赤字計上を大きく報道されると、信

用不安が広がる懸念があることから、金融

庁は業績の下方修正とあわせて出資受け入

れを同行に公表させ、信用不安の広がりを

回避させようとしたのではないかと思いま

す。


いずれにしても、金融庁地方銀行の再編

を加速させようとしているということは、

これまで何度か説明してきましたが、今回

島根銀行SBIグループからの出資受

け入れは、そのひとつであることに間違い

はないと思います。


そして、今後も同様の事例が公表されてい

くのではないかと、私は予想しています。

 

 

 

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