鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

改善は会議室で起きている

「事件は会議室で起きているんじゃない。

現場で起きてるんだ!」


映画、踊る大捜査線での警察官役の織田裕

二さんの有名なセリフは、私もそれを聴い

ていてすっきりしました。


映画が上映されていた当時、会社勤務だっ

た私は、いつも上意下達で納得のいかない

方針で仕事をさせられていたので、彼のセ

リフは私の気持ちを代弁してくれているよ

うだったからです。


前置きはここまでで、そういいながら、私

は、「改善は会議室で起きている」とあえ

て述べています。


その理由を順を追って説明すると、まず、

「改善のための話し合い(会議)」は批判

されることが多いと感じています。


「会議室で話し合う時間があるなら、現場

に出て、顧客をとってくる方が会社に貢献

することになる」、「そもそも会議を開く

時間がむだ」という意見は、あちこちでよ

く耳にします。


しかし、そのような意見を持つ人は、いわ

ゆる一匹狼タイプのような人なのだと思い

ます。


そういう人は、営業活動に関しての能力が

高く、常に顧客を獲得できるので、営業活

動以外に時間を割くことを惜しいと感じる

のでしょう。


ただ、そのような人であっても、仕事の振

り返りは単独で行っていると思います。


自分の思うようにならない相手には、どう

すれば契約になるだろうかということを考

え、少しずつ手法を変えながらアプローチ

を繰り返すでしょう。


そして、そのような仕事の振り返りは、組

織的に活動を行っている場合は、「会議」

になります。


確かに、会議のための会議、社長が言いた

いことを一方的に伝える会議など、意味の

ない会議も開かれていることも事実です。


しかし、事業活動は定期的に振り返りが必

要であり、すべての会議を否定してしまう

と振り返りができず、改善活動も進みませ

ん。


ここで、もうひとつ、会議に否定的な人に

ついて考えてみると、人材育成があまり得

意でない人が多いと感じます。


そういう人は、徒手空拳で独力で営業ノウ

ハウを身に付けてきており、部下に対して

も、現場で働かせていれば、同様に営業ノ

ウハウを学べるだろうと考えているようで

す。


私はこのように考えることは、前提に誤り

があると思います。


というのは、独力で学ぼうとするくらいの

意欲がある人は、そもそも会社に勤めよう

とはしないか、仮に勤めたとしても、短期

間で独立してしまいます。


ですから、経営者は従業員の方に対して自

分と同じようなことを求めるべきではない

と思います。


そして、実は、「現場主義」を主張する人

は、本当は「人材育成」が不得手であるこ

とを隠そうとしているようにも見えます。


すなわち、部下に教える機会である改善の

ための話し合いをすることを避けようとし

ている面もあるでしょう。


でも、一般的に、事業活動は組織的に行わ

れるわけですから、経営者(管理者)は人

材育成に軸足を置かなければなりません。


さらに、その人材育成は、「改善のための

会議」が重要な機会となります。


そして、上手に改善活動を行うことのでき

る経営者のいる会社ほど、業績もよくなる

と私は考えています。

 

 

 

 

 

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