鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

AI融資へどう対応するか

先日、日本経済新聞が、「3メガ銀行と地

銀など18社は、ベンチャー企業と新会社

を設立し、人工知能を駆使した中小企業向

け融資に参入する共通のデータ基盤をつく

る」( https://goo.gl/6msBAJ )と報道し

ていました。


最近は、AI融資が注目されていることも

あり、今回は、AI融資に関する注意点に

ついて述べたいと思います。


まず、前述の報道によれば、「(銀行など

の18社で設立した新会社は)『動態モニ

タリング』と呼ばれる融資先の日々の取引

を行員が瞬時に把握できるソフトを開発し

ており、新会社は決算書がなくても融資で

きる支援体制を敷く」そうです。


これについては、銀行の融資事務の合理化

は期待できると私も感じますが、銀行の融

資事務の簡単な部分に限定されると思いま

す。


なぜなら、決算書なしで融資は可能であは

あると私も思いますが、それは、通常に発

生する運転資金に限定されるでしょう。


また、融資を受ける会社側も、簡単に融資

申し込みができるとすれば、それは歓迎す

ると思いますが、運転資金だけ融資を受け

ることができればよいというステージは、

創業間もない段階や、事業規模が小さいと

きだけでしょう。


その一方で、これは、融資を受ける側の方

にもご理解いただけると思いますが、真に

銀行が期待されているところは、会社が命

運をかけるときや、会社がピンチになった

ときであっても、銀行は支援をしてくれる

かどうかということです。


そのようなときの判断は、決算書を使わな

いで、かつ、AIに判断を委ねるというこ

とは、銀行もしないでしょう。


従って、AI融資は、当面は小口の運転資

金という限定的な範囲にとどまるというの

が、私の予想です。


とはいえ、事業規模が小さい会社からの小

口の運転資金の申し込みは、AIに審査を

集中させて委ねるという傾向が強まる可能

性もあります。


そういった面からは、事業規模の小さい会

社は、会計情報をタイムーに銀行に提供で

きるよう、体制を整えておく必要は、より

高まると思います。

 

 

 

 

 

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