数年前ですが、駒澤大学の教授の方が、日
本放送協会のテレビ番組にご出演され、曹
洞宗の開祖の道元禅師の残した、「霧の中
を行けば、覚えざるに衣しめる」という言
葉を解説されておられたことが印象に残っ
ています。
(ご参考→ https://goo.gl/FhCUHo )
その言葉の意味は、「霧の中を歩いて行く
と、知らないうちに衣服が湿っているよう
に、良い人と一緒にいると、知らないうち
に良い人となっている」ということです。
これを聞いて、私がサラリーマン時代の1
~2年目のときも、お手本となるような先
輩社員に少しでも近づこうとして、直接、
仕事の仕方は教えてもらえなかったけれど
も、そういう人たちの普段からやっている
ことだけでも真似しようとしていたことを
思い出しました。
例えば、基本的な行動ですが、会議の開始
時刻の5分前に会議室に行く、締切の何日
前に仕事を終わらせる、他の人の話は終わ
るまで口を挟まずにじっと聞く、顧客から
苦情があったときはすぐに謝りに行くとい
うようなことです。
そして、そのようにして先輩たちから私が
学んだことは、社会人としていまでも役に
立っていると感じています。
中小企業経営者の中に方も、社内によい人
材がいないという悩みをお持ちの方が多い
と思いますが、もし、経営者の方自身が、
従業員の方からお手本にしたい人と思って
もらうだけでも、従業員の方たちに「覚え
ざるに」よい人材に近づいてもらえるので
はないでしょうか?
人材育成というと、ジョブローテーション
や、OJT、Off-JTなどを思い浮か
べる方が多く、それが基本であることに間
違いはないですが、もう少し基本的な部分
は、上司が「霧」になって部下を「湿らせ
る」ことも必要だと思います。
私もまだまだ未熟ながら、私より若い方か
ら「霧」と思ってもらえるようになること
を目指して行きたいと思います。
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