鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

オーナー会社の取締役

いわゆるオーナー会社でも、能力のある従

業員の方が、取締役として選任されること

は珍しくありません。


それは、社長(=オーナー)が、自社の事

業により尽くしてもらいたい、経営者とし

ての想いを共有してもらいたいといった意

図があるからだと思います。


社長がこのように考えることは当然と思い

ます。


ただ、やはり、オーナー会社は株主が限定

されていることから、その取締役は上場会

社の取締役と比較して、立場が異なると言

えるでしょう。


上場会社は、株主総会が形式的になってい

る場合もありますが、それでも取締役は多

くの株主に委任を受けて就任しています。


一方、オーナー会社は、社長とオーナーが

同一人物、すなわち、社長の意見=株主の

意見であることから、「株主の委任を受け

る」という手続きは、実態としてはあまり

意味はなく、「取締役」という名目的な肩

書だけを与えていることになります。


これを言い換えると、取締役は株主から委

任を受けて業務執行、監督を行うので、時

には社長を含む他の取締役を牽制する役割

がありますが、オーナー会社の社長以外の

取締役は、社長を牽制することはできませ

ん。


では、オーナー会社では、従業員を取締役

に選任する意味はないのかというと、私は

そうではないと思っています。


例えば、「丸見え経営」で有名な、メガネ

売店の株式会社21では、従業員全員に

経営情報を公開し、経営を監視する役割、

すなわち、取締役と同じような権限を与え

ています。


(ご参考→ https://goo.gl/5s9n9k


私も、この会社と同様の施策を、他の会社

が実践することは、直ちには困難だと思い

ますが、従業員に対して「会社に尽くして

もらいたい」、「経営者の想いを共有して

もらいたい」と考えるのであれば、それに

見合う役割を与えることで、実現できると

考えています。


すなわち、将来の幹部候補生に「取締役」

という肩書だけではなく、きちんとした役

割も与える必要があるということです。


ここで、「そのような役割を務めることが

できる人材は社内にいない」とお考えの経

営者の方もいると思いますが、それを育成

する役割を担うべき人は誰かということは

すぐに分かると思います。

 

 

 

 

 

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