割合としては多くありませんが、経営者の
方の中に、無理して会社をよく見せようと
していると思われる方に、ときどきお会い
することがあります。
例えば、(失礼な書き方ですが)大企業の
ような経営理念を掲げたり、著名な経営者
の講演を頻繁に聞いたりたくさんの著書を
読んだりして、その経営者を真似たりする
というような方です。
そういった姿勢が、直ちに問題とはならな
いのですが、表向きと、会社の業績や体制
の実態がかけ離れていると、周りの人たち
は、ちぐはぐさを感じます。
その例として、以前ご紹介しましたが、化
粧品販売会社、ランクアップの社長の岩崎
裕美子さんは、かつて、社員の方をねぎら
うために、高級ホテルのディナーに招待し
たことがあったものの、「社員から、勤務
している会社がいい会社だと言って欲しく
てやったことでしょう」といわれ、当時の
岩崎さんの意図を社員に見抜かれていたと
いうことを、ご著書に書いておられます。
(ご参考→ https://goo.gl/kfDHng )
しかし、社長の思いと裏腹に、事業改善は
社長ひとりでできることではないので、社
長だけが焦っても、社長の望むような状況
には遅々として進まないどころか、いつま
でたっても目指すところにはたどりつかな
いようです。
とはいえ、悪い意味でのワンマン社長のよ
うに、自分のことしか頭にない経営者に比
べれば、空回りしつつも、会社をよくしよ
うと考えている経営者とは、天と地の差が
あります。
ただ、着眼点が少しずれているだけです。
これも以前にご紹介しましたが、現在は職
員数21名、顧問先数270社と、大きな
事務所をお持ちの、税理士の金成祐行先生
は、かつて、職員全員から突然辞表を出さ
れたことがありました。
そのときまで、金成先生は、ご自身が独り
善がりになっていたことに気づかなかった
そうです。
(ご参考→ https://goo.gl/XQ6UVL )
経営者の方の中には、このようなピンチに
立たって初めてご自身が空回りしていたこ
とに気づく場合もあるようです。
でも、金成先生の場合、ピンチに立った経
験が、前述のような大きな事務所づくりの
ためのターニングポイントにもなったよう
です。
今回の記事の結論は、以前もご紹介した、
リーダーシップに関する理論である、リッ
カートのシステム4理論のうち、できれば
システム4(民主主義型)、少なくともシ
ステム3(参画協調型)を目指すことが大
切だということです。
(ご参考→ https://goo.gl/dZ6orn )
業績を高めるには、組織的な活動が望まれ
ますが、そのためには、社長ひとりだけが
意気込んでも組織的な活動は実現できませ
ん。
むしろ、社長は、組織の能力が高まるよう
な管理活動に軸足を置かなければなりませ
ん。
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