鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

コンサルティング万引き

先日、私の知人で、心理カウンセラーの山

口さんが、次のようなことをTwitte

rに書いていました。


すなわち、山口さんの配信しているメール

マガジンの感想という名目で、長文の電子

メールを送り、暗に、困りごとへの対処法

の回答を求めて来る人がいるが、カウンセ

リングの契約を結んでいないにもかかわら

ず、カウンセラーの労力や時間を奪おうと

することは、「セラピー万引き」と言える

というものです。


セラピストに限りませんが、フリーランス

の人たちは、時間と努力をかけて専門家と

してのスキルを磨いてきており、その裏付

けがあって相応の対価を得てクライアント

の相談に応じているわけですから、そのよ

うな専門家の時間を奪うことは万引きする

ようなものだという山口さんのご指摘は、

的を射た指摘だと、私も思います。


そして、私も、山口さんと同様の経験をし

たことがあります。


例えば、融資を受けられないで困っている

ということだけを繰り返し主張する経営者

の方から相談を受けることがときどきあり

ます。


そのような経営者は、なぜ、困っている状

況だけを主張するのかというと、もし、自

社がこういう改善活動をすることを説明し

て、銀行からの支援を引き出したいと考え

ているが、それは妥当かなどという、具体

的な行動をともなう質問をしてしまうと、

自らその改善活動を実践しなければならな

くなるので、そのようなことを避けたいと

いう意図があるのだと思います。


もう一歩進めて言えば、「それでは、●●

さんの代わりに銀行に行き、銀行を説得し

てきてあげますよ」という言葉をコンサル

タントから引き出そうとしているのだと思

います。


そして、もし、そのコンサルタントが銀行

の説得に失敗したら、その失敗を理由に、

報酬の支払いもしないですませたいという

意図が透けて見えます。

 

話がそれますが、そのような、経営者が自

らが窮状を改善しようとする意欲が見られ

ない場合は、私は、その会社へのご支援を

お断りしています。


すなわち、このようなさもしい考え方をす

る経営者とはおつきあいしたくないという

気持ちもありますが、融資申し込みを受け

た銀行からみても、能動的に改善する意欲

がない会社は評価されにくく、実際に業況

がよくなることも期待できません。


今回の記事は、コンサルタントの愚痴のよ

うな内容になりましたが、それは置いてお

き、経営者自らが積極的に事業を改善しよ

うという意欲を見せなければ、銀行やコン

サルタントなどからは協力を引き出せない

ということが結論です。


経営者にはリーダーシップが必要というこ

とは多くの方が理解しておられると思いま

すが、それは、会社内部だけでなく、支援

を求める相手に対しても発揮されるべきも

のと、私は考えています。

 

 

 

 

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