鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

自社の味方を増やす

先日、ある税理士の方から、次のようなお

話しを聴きました。


すなわち、「ある顧問先から、今期の利益

が増えそうなので、納税額が増えないよう

にするために、売上高の一部を計上しない

で税務申告して欲しいと要請されたが、税

理士の矜持から、それを断り、顧問契約を

解除した」というものです。


この顧問先は、虚偽の税務申告をしようと

していることも問題ですが、その前の問題

として、利己的であるために、顧問税理士

の迷惑を考えていないということです。


恐らく、ほとんどの税理士の方は虚偽の税

務申告は請け負わないと思いますが、仮に

虚偽の税務申告をした税理士の方は、大き

なペナルティを被ることになります。


私も、前述の税理士の方と似た経験を持っ

ています。


すなわち、銀行から融資を受けられるよう

にするために、自社の実際の業況とは異な

る説明をしたり、あるいは、重要な事実を

秘匿したりした上で、銀行と折衝をするよ

うにと依頼されたことが、何度もありまし

た。


また、手間のかかる作業について、相応の

報酬を下回る金額で受けて欲しいと依頼さ

れたこともありました。


もちろん、これらのような依頼はすぐに断

るようにしています。


そして、そのような依頼を断る理由は、倫

理的に問題があったり、不採算であったり

ということもありますが、その前に、利己

的な経営者の方とはお付き合いしたくない

と私が考えているからです。


そのような方は、恐らく、税理士やコンサ

ルタントだけでなく、仕入れ先や従業員に

対しても同様に利己的な要求をするであろ

うし、そうであれば、会社の事業は長続き

しないでしょう。


こう考えていた中、先日、イエローハット

創業者の鍵山秀三郎さんのメールマガジン

を読み、少し。溜飲が下がる思いをしまし

た。


「私は、取引を続けることによって社員が

幸せになれるかどうかということを、取引

の判断基準にしています。


例えば、採算が得られない条件での取引を

要求している、ある大手スーパーから撤退

するとき、『鍵山さん、あなたの会社はつ

ぶれるよ、わかってんの?』と言われたの

で、『はい、あなたの会社からいじめられ

てつぶれるより、社員みんなで努力して、

そのうえでつぶれたほうがまだましです』

とお答えしました」


ビジネスパーソンは、利益を最優先して活

動しなければならないことに間違いはあり

ません。


しかし、自社に商品やサービスを提供しく

れる相手に、厳しい要求を出すことが、必

ずしも利益を最優先することではないと、

私は考えています。


もちろん、必要以上に相手の要求を受け入

れることも避けなければなりませんが、自

社への納品先も、自社の強力な味方にして

いくことの方が、自社の発展のための大き

な原動力になるのではないでしょうか?

 

 

 

 

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