鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

無申告の人はビジネスも成功しない

[要旨]

限られた数ですが、申告をせず納税をしないという会社もあるようです。そのような会社は、単に、法律に従っていないというだけでなく、独りよがりの経営をしていることになるので、自社の事業への協力者も見つかりにくく、早晩、事業は行き詰ることになるでしょう。


[本文]

先日、ある人が、その方の知人からきいた話として、税務署調査を受けたことについて、SNSに書いておられました。その知人の方は、会社で事業を営んではいたものの、無申告だったので、税務署から調査を受け、納税をするように言われたとのことでした。その記事を書いた方の意図は、正確には分かりませんが、全体からは、「無申告のままでは、税務署から、税金の厳しい取り立てを受けることになるので、きちんと申告して納税しましょう」ということを伝えたかったようです。

ただ、私は、ちょっと疑問を感じました。納税は、法律で定められた義務なので、申告しなければだめということは当然なのですが、その税務調査を受けた方は、そもそも、事業だけを続けて、なぜ、申告はしなかったのでしょう?恐らく、申告をしなければならないことを知らなかったとは考えにくいので、単に、納税をしたくないから申告しなかっただけなのでしょう。

そうであれば、法律を守らずに、事業を行おうとすることの方が、もっと重要な問題だと思います。もし、ビジネスで成功したいとか、顧客や従業員を大切にしたいと考えていれば、自社が税務調査を受け、税金の取り立てをされるような事態になることは、ビジネスの拡大の妨げになったり、顧客や従業員にも迷惑をかけることになるので、その状態を放置しておくことはできないでしょう。

ビジネスは、人(顧客、従業員)を尊重するから、自分も尊重してもらえるのであって、そのような良好な関係を築くことができがない人のビジネスは、発展しないことは、ほとんどの方が、容易に理解できると思います。そうであれば、仮に、納税することが嫌であるとしても、自社の信用を失ったり、迷惑をかけるようなことは避けたいと考えるでしょう。

それにもかかわらず、申告をしてこなかったということは、単に、法律を守らなかったというだけでなく、我田引水的な事業をしてきたということであり、早晩、事業は行き詰るでしょう。確かに、納税したくないという気持ちは、誰にでもあると思います。でも、ビジネスパーソン、特に、経営者の方は、他者のお手本になるべき人なので、納税したくないから納税しないという姿勢しか持たないのであれば、ビジネスへの協力者も現れず、事業が成功するはずはありません。

ちなみに、無申告の会社は、限られた数しかないと思いますが、従業員の方に残業代を払わなかったり、社会保険料を払わないという会社は、少数とはいえ、まだ存在しているようです。そのような状態にならないよう、日ごろからの資金管理は大切なのですが、払っていない会社ほど、資金管理はおろそかになっていると、私は感じています。つまるところ、賃金の未払いなどが起きる原因は、経営者の方の考え方や姿勢に行きつということなのだと思います。

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