鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

家計簿をつける効果

[要旨]

経営者の方が、「会計情報はだいたい把握している」という慢心を持っていると、事業運営上の正確な判断ができないので、経営者の方は、財務情報に強い関心を持ち、常に自社の財務状況を正確に把握することが大切です。


[本文]

読者のみなさんは、家計簿をつけたことがあるでしょうか?私も、かつて、家計簿をつけていたときがありました。家計簿をつける効果のひとつは、自分がイメージしている支出の内訳と、実際の支出の内訳に、ずれがあるというものがあります。例えば、「ひと月の外食費(飲み代)は、もっと少ないと思っていたのに、実際はこんなに外食していたのか」というような感じです。

したがって、家計簿をつけた方が、より的確に、支出の無駄を減らすことができるようになります。また、家計簿をつけると、これも当然のことですが、節約しようという意識が高まります。普段の生活の中で、「この買い物は無駄な買い物かもしれない」と感じたとき、家計簿をつけていると、そのことが後になってさらに明確になってしまうと感じるので、無駄な買い物を抑えようとすることができます。

と、ここまで当然すぎることばかり書いてきたのですが、このような家計簿を活用したお金の節約法は、会社の財務管理にも当てはまります。もちろん、会社は、法律上、会計取引を記録する義務があるので、それを怠っている会社はないと思います。でも、税務申告のときに、税理士の方から届けられた決算書を、事後的に見ているとか、融資を受けるときに、銀行から説明を求められて、ようやく自社の財務状況を調べてみるというように、受動的にしか、自社の財務について見ていない経営者の方も少なくありません。

これは、これまで私が繰り返してお伝えしていることですが、毎月、自社の収支状況を確認し、事業の改善に活用していなければ、成り行きで事業活動をしている状態ということになってしまいます。ところが、家計簿をつけていない人が考えがちな、「わざわざ、家計簿をつけなくても、自分はだいだいお金の使い方はわかっている」というような慢心を、会社経営者の方も持っていると、誤った認識で事業運営上の判断をしたり、無駄な支出をしていたりして、業況が悪化したり、業績がなかなか向上しなかったりします。

もし、本当に、自社の事業をよくしたいと考えている経営者の方は、自社の財務状況への強い関心を持って、事業に臨むと思います。業績がなかなかよくならないというとき、その原因はひとつだけではありませんが、そのうちの大きなもののひとつは、経営者の方がどれくらい自社の財務に関心を持っているかということだと思います。

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