鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

苦しい時に備えるための資金繰のルール

今回も、前回の記事でご紹介した、野坂英

吾さんのご著書「資金30万円から100

億円企業をつくった社長が教える勝ち続け

る会社をつくる起業の教科書」

( https://amzn.to/2xlGoR4 )の中から、

会社の資金繰の維持に参考となる記載があ

りましたのでご紹介したいと思います。


リユース商品のお店を展開していた野坂さ

んは、年に1~2ずつ店舗を増やしてきて

8つとなったときに、いちどに6つの店を

増やそうとしたときがありました。


その際、出店コストなどで半年間赤字が続

いたとき、資金繰が苦しくなったという経

験をしたそうです。


その経験から、業績がよいときであっても

業績が悪くなったときに備えてきちんとし

た資金調達をすることにしたそうです。


具体的には、次のようなことを心がけてい

るそうです。

 

(1)安易に融資を受けない:最近は資金

調達が容易になっているが、必要以上に手

元に資金があると、投資判断が甘くなるの

で、最低限の融資しか受けないようにして

いる。


(2)長期融資を増やし、短期融資を減ら

す:短期借入は、業績が悪くなった時に、

銀行から借換の承認をもらいにくくなるの

で、仕入れ代金支払いのための借入は、短

期借入だけでまかなわないようにしてい

る。


(3)複数の銀行と取引する:メインバン

クを持つことは大切だが、リスクヘッジ

する観点から、他の銀行とも取引をするこ

とが望ましい。


(4)資金流用をしない:新店舗出店のた

めに借りたお金を運転資金に流用すると、

返済方法が分かりにくくなるだけでなく、

お金の管理がルーズになるので、流用は避

けなければならない。


(5)目先のことだけを解決しようとしな

い:資金繰の苦しそうな同業者から、お金

を工面するために、原価割れでリユース

品の買取を依頼されることがあるが、この

ような安易な方法で目先の資金繰が解決で

きると考えてしまうと、きちんと利益を出

して資金繰を改善しようとする努力を怠っ

てしまうようになるので、避けなければな

らない。


私は、これらのいずれも大切な考え方だと

思いますが、(4)と(5)は特に大切だ

と思います。


資金繰に苦心している会社経営者の多く

は、「借りられさえすればそれでいい」と

考えがちで、返済することまでは考えが及

んでいない方が多いようです。


でも、借入をきちんと返済することが、次

に融資を受けるときの負担を減らすことに

つながります。


融資に悩んでいる経営者の方は、手元のお

金がなりかけたときに右往左往するという

傾向がありますが、野坂さんのように、

「業績がよいときから、業績が悪くなった

ときに備え」て資金調達しておくことが、

最も効果的で負担の少ない融資対策だと思

います。

 

 

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