鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

事業計画の役割

前回の記事で、事業計画を作る理由につい

て説明しました。


(ご参考→ https://goo.gl/eCh516


今回は、別の観点から事業計画の大切さに

ついて述べたいと思います。


会社の活動の内容を示すものには、経営理

念(基本方針、ビジョン、ミッション、存

在意義なども含みます)や、経営戦略・戦

術などがあります。


経営理念は、会社の目指すところや目的地

を示しており、その目的地にどのような方

法や道を通って行くかを示すものが経営戦

略・戦術です。


経営理念や経営戦略は、中小企業では、比

較的容易に作ることができます。


むしろ、経営理念ありきで、それを実現す

るために会社を起こしたという方が多いで

しょう。


しかし、経営理念と比較して、事業計画の

作成は難しいようです。


なぜなら、事業計画は、経営理念や経営戦

略と比較して、盛り込む内容が具体的、か

つ、たくさんあるからです。


例えば、いつまでに、だれが、どれを、ど

れだけ行うのかということを数値で示さな

ければならないからです。


このように細かいことを決めるという負担

があるものの、だからこそ、精緻な活動が

可能になり、目標にも最短で到達できるよ

うになるといえるでしょう。


ここまでの内容について、まとめると、経

営理念はどこへ(Where)、経営戦略

はどうやって(How)、事業計画はいつ

までに(When)、だれが(Who)、

どれを(What)、どれだけ(How 

Many , How Much)を示す

ということです。


ただし、事業計画で気をつけなければなら

ないことがあります。


それは、細かすぎてもいけないということ

です。


事業計画を細かくしすぎてしまうと、作成

の負担ばかりでなく、実績を計測する負担

や、達成しなければならない目標が多くな

り、最終的な経営理念に向かうことよりも

目の前の数字を追いかけるという、本末転

倒の状態に陥ってしまいます。


もうひとつの注意点として、事業計画は、

作成することが目的ではないということで

す。


これは理解が容易であると思いますが、事

業計画は「計画」であり、ある面で仮設で

あるということです。


例えば、売れると思っていた商品が実際に

は売れなかったり、その逆もあります。


そこで、より利益を得るためにはどのよう

な活動が望ましいのかということを見極め

るためにも、仮説と検証をなるべく多く繰

り返すことが、より精緻な事業計画へと磨

き上げていくことになります。


また、事業計画は、そのような作業をする

ためのツールでもあるということです。


事業計画は、「融資申込をしたら、銀行か

ら依頼されたから作成した」などと、受け

身で作成する会社も多いようですが、よい

事業活動の改善のためのツールと考えると

能動的に作成できるようになるのではない

でしょうか?

 

 

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