鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

コミュニケーションの方法

これは私が言うまでもないことですが、仕

事を効率的に行うには、コミュニケーショ

ンはとても大切です。


例えば、私が銀行で働いていたときは、恐

らく数千枚の融資稟議書を書いていたと思

いますが、単に長々と説明文を書けばよい

訳ではなく、要点を明確に書くことで、審

査部の方に早く承認をもらえるよう工夫を

していました。


このことは至極当りまえなのですが、そう

はいっても、同僚の中には、何度も審査部

から稟議書の内容の問い合わせを受け、承

認を得るまでに時間を要している人もいま

した。


問い合わせの内容は、書き方だけが原因と

は限りませんが、少なくとも、私は「何が

書いてあるのかわからない」というような

ことはないように工夫していました。


その一方で、融資の申込を受ける相手の経

営者の方の中には、割合としては少ないで

すが、どういう融資を受けたいのか、なぜ

融資を受けたいのかをうまく説明できず、

それを聴き取ることに苦心することがよく

ありました。


仮に、融資を受けようとする人がうまく説

明できないとしても、銀行職員はそこをう

まく聴き出す能力を持っていなければなら

ないので、きちんとお話しを聴くように努

めていました。


ただ、それがすべてではありませんが、や

はり、経営者の方がうまく自分の経営する

会社のことを説明できない会社は、あまり

業況はよくないというようにも感じていま

す。


とはいえ、自社のことを説明がうまくでき

ない経営者自身も、恐らく、ほかの人から

丁寧な説明を受けて仕事を学んできたとい

う訳ではなく、仕事を教わった相手の背中

を見て仕事を学んだというタイプなのだと

思います。


そういう私も、銀行で働いていたときは、

あまり、上司や先輩から仕事について詳し

く説明を受けたという経験はありません。


上司や先輩たちは、仕事を終わらせること

で精いっぱいであり、部下や後輩に仕事を

教えるという時間的な余裕はあまりなかっ

たからです。


そこで、私は上司や先輩の仕事を見ていて

分からないことがあった時は、社内マニュ

アルを読んで、なるべく独力で仕事を覚え

るようにしました。


話しを戻して、新入社員に対して、どのよ

うに仕事を学ばせるかということについて

は、いまだに苦心している会社は多いと思

います。


経営者や幹部の人たちは、かつて、上司の

背中を見て仕事を覚えたという経験から、

新入社員にもどうように仕事を覚えて欲し

いと考えている方も多いし、また、なるべ

く丁寧に仕事を教えてあげたいとも思って

いても、思うように時間をとることができ

ないという方もいるかもしれません。


ところで、以前、テレビ東京のカンブリア

宮殿という番組で、京都の料亭の菊乃屋さ

んについて放送していたことがありまし

た。


(ご参考→ https://goo.gl/bKE1oy


料亭は古いタイプの職場だという先入観を

私は持っていたのですが、菊乃屋さんは、

すべての料理人が料理のレシピをパソコン

でみることができるそうです。


そして、仕事の合間に、レシピを見て料理

を覚えることができるそうです。


こうすることで、料亭全体として、スキル

が向上するという、店主の村田さんの考え

によるもののようです。


結論は、コミュニケーションは大切と思い

つつ、それを円滑にすることが後回しにさ

れつつあるので、気をつけなければならな

いということです。


今回の記事では、菊乃屋さんを例に挙げま

したが、その例が絶対に正しいということ

ではありません。


ただ、社内でのコミュニケーションの円滑

化を図ったり、経営戦略の実践のためにど

のように活用するかということを明確にし

て取り組んでいる会社は、業績にその効果

が現れていると私は考えています。

 

 

 

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