事業をライバルから優位に展開するには
差別化することが大切だということは
言及するまでもありません。
そして、その差別化は、模倣困難性が
大きければ大きいほど、効果の高いもの
となります。
ところが、その、模倣困難性を大きく
することは、むずかしくもあり、
やさしくもあると思っています。
むずかしいというのは、他社にまね
されない商品や製品を提供するという
ことは、説明をするまでもなく理解して
もらえると思います。
いわゆるオンリーワン企業のような
会社の製品は、一朝一夕で得られる技術
では製造することはできません。
また、町田市にある家電店の“でんかの
ヤマグチ”( http://d-yamaguchi.co.jp/ )
のような、地域密着に徹した販売方法も
直ちに他社に模倣されることはむずかしい
方法だと思います。
だからといって、やはり、他社との
差別化を目指さずにいれば、競合に
敗れる可能性は高くなるので、時間が
かかるとは言え、何らかの差別化を
図ることは避けられないでしょう。
しかしながら、模倣困難性の高い事業を
始めるには、時間をかけなければなら
ないのかというと、私はそうは考えて
いません。
毎年、日本政策金融公庫が発行している
新規開業白書を読んでいると、開業後に
業績の高い会社は、開業前の準備として
(1)開業しようとする業界の経験を
積む、(2)その業界の知識を深めたり
人脈をつくってから開業する、(3)
経営者としてのマネジメントの経験を
積む、という特徴を挙げています。
これらのことは、あたりまえと考える
要素なのですが、別の言い方をすれば、
新規開業して成功する経営者は、開業
までの準備を計画的に行ってきたと
いうことです。
そのことが、開業してから直ちに
模倣困難性の高い製品や商品を提供
できる事業を展開できるようになって
いるということだと思います。
要は、模倣困難性の大きい事業を始める
には、何か特殊なことが必要ということ
ではなく、しっかりとした準備ができて
いれば、ある程度の効果の高い事業を
開業できるということです。
もうひとつは、きちんとした戦略を練る
ということです。
中小企業の採るべき戦略で著名なものは
ランチェスター戦略ですが、これも
多くの方が知っている割には、実践
している例は多くないようです。
意外かもしれませんが、そもそも、
戦略を立案し、それに沿って事業を展開
するということを実践できる会社は
あまり多くないと私は考えています。
こういった意味で、私は、模倣困難性を
大きくすることは、やさしくもあると
考えています。
最終的には、経営者がどのようなマネジ
メントをするかというところに尽きると
思います。