信用保証協会の1つの会社に対する保証
額は限度があります。
一般保証は、無担保で8千万円、有担保で
2億円、合計で2億8千万円までです。
このうち、担保条件の保証は複雑な面が
ありますので、ここで少し説明したいと
思います。
保証を受けるための条件となる担保とは、
論理的にはさまざまなものがありますが、
ほぼ、不動産担保を指します。
そして、これは、明確な根拠はなく、私の
経験で述べるのですが、担保の評価は、
銀行よりも信用保証協会では、高目に評価
される傾向にあるようです。
例えば、同じ担保条件でも、銀行では
1,000万円の融資しか得られない
場合であっても、信用保証協会の保証を
1,200万円得られるということも
あります。
そういった点では、担保条件で信用保証
協会に保証を申し込めば、より多くの
融資を受けられる可能性があります。
また、この不動産担保の契約の仕方には
ふた通りあります。
そのひとつは、一般的な方法で、銀行と
担保契約を結ぶ方法です。
もうひとつは、信用保証協会と担保契約を
結ぶ方法です。
この方法の長所は次の通りです。
(1)根抵当権の登録免許税が、
1,000分の4から、1,000分の
1.5に軽減される。
(2)不動産担保を1つの金融機関だけ
でなく、複数の金融機関からの融資に
利用できる。
逆に、短所は、不動産担保の権利が信用
保証協会にあると、銀行側がイニシア
ティブを発揮して融資をしにくくなると
いう面があります。
現実的には、不動産担保は銀行が契約者
となる例が多いようです。
ところで、当初、いわゆるプロパー融資
のために銀行と契約した不動産担保が、
その後に申し込まれた、信用保証協会の
保証のために使われることがあります。
こういったことは、建前としては、融資を
受ける側に銀行が了解を得た上で担保を
信用保証協会の保証の条件に使うことが
望ましいのですが、現実的には融資を
受ける側は「保証を受けられるのであれば
条件は銀行に一任する」といった回答を
する会社が多いので、事後的に知ることが
多いようです。
どうすれば、担保が信用保証協会の保証の
条件となっているかどうかを知ることが
できるかというと、信用保証協会が銀行
あてに発行した保証書の保証条件欄に
担保の明細の記載があれば、担保条件と
いうことになります。
信用保証協会が銀行に対して発行する
保証書は、その写しが保証申込人
(借入人)にも融資実行後に送られて
くるので、それを知ることができます。
ただ、この、銀行に提供した担保が、
信用保証協会の保証の条件になることに
ついては、銀行が融資を受ける側に
不利になるように利用するということは
私がきいた限りでは例はありません。
とはいえ、銀行と担保契約をしていて、
信用保証協会の保証も利用している
会社は、担保が信用保証協会の保証に
どのように利用されているのかという
ことを銀行に尋ねておくことが望ましい
ということに変わりはありません。