鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

融資のベテランはすぐに書類をそろえる

私がかつて勤務していた銀行に勤め始めて

間もないころ、とても神経を使っていたこ

とがあります。


それは、融資契約のときに、融資相手の会

社に押印などをしてもらう契約書などや、

手続き、審査などに必要な書類などを、間

違いなく、そしてもれなくいただくことで

した。


当然、銀行制定の書類はすべてそろえ、場

合によっては書き損じに備えて余分に用意

し、さらに、それらをコピーして、記入例

を書いたり、押印する場所に赤いマークを

つけたりしておきます。


印鑑証明書、納税証明書、登記事項証明書

など、融資相手の会社に用意してもらう書

類は、必要枚数、取得する場所、有効期間

などをメモに書いて、融資相手の会社の方

にお渡ししていました。


これらの、融資契約に必要な書類は、意外

と複雑です。


その最大の要因は、一般の事業向けの融資

は、個別に融資条件が決まるからです。


極端なことを言えば、1件ごとに条件が異

なるので、必要な書類も1件ごとに異なる

ということになります。


そこで、これらの書類をそろえるにあたっ

ては、社内の融資規則を見るだけでなく、

その融資の承認を得た融資稟議書を見て、

融資条件通りに書類がそろえられているか

ということも確かめる必要がありました。


さらには、最初の取引か、2回目以降の取

引かによってもらう書類が変わったり、地

自治体や信用保証協会の制度融資を利用

するときに、それらの申請のために必要に

なる書類も加わります。


そこで、融資契約に必要な書類をそろえる

には相当の神経を使うのですが、それでも

もれがあったり間違いがあると、顧客や上

司から怒られたり嫌味を言われたりするこ

ともありました。


ただ、怒られたり嫌味を言われたりするだ

けならまだよいのですが、不動産売買契約

のともなう融資や、ほかの銀行との協調融

資など、間違いの許されない融資契約のと

きは、本当に神経をすり減らしながら書類

を何度も確認しました。


ここまでの内容でご理解いただけると思い

ますが、融資契約に必要な書類を間違いな

くそろえることができるようになるために

は、それなりの事務経験や習熟度が必要に

なるということです。


そこで、銀行の職員に融資の相談をしたと

きに、すぐに必要な書類をそろえられるか

どうかで、その職員の習熟度を知ることが

できます。


もちろん、必要な書類をすぐにそろえるこ

とができるということと、融資審査のスキ

ルが高いということは異なりますが、両者

はほぼ相関関係にあると言えるでしょう。


ですから、そういった職員を見つけると、

自社の資金調達はより円滑に行うことがで

きるようになると思います。


ただ、そのような習熟度の高い銀行職員は

減少傾向にあるとも聞いており、この件に

ついては残念に思っています。


ちなみに、私も顧問先の取引銀行の職員さ

んのスキルは、必要な書類をすぐに用意し

てもらえるかどうかで判断しています。

 

 

 

 

 

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