コンサルタント仲間で集まってお話しする
ときに、共通する話題として、顧問先に
改善策を提案しても、それを実行して
もらえない一方で、業績が上がらない
結果については、コンサルタントに責任が
あると批判されるというものがあります。
これだけを読むと、コンサルタントの
愚痴に思われるかもしれませんが、
もちろん、私は、なかなか経営者が改善
策を実行しない状況に合わせてできるもの
から改善を提案することも、コンサル
タントの責任だと思っています。
そういう私も、あまり、他人のことを批判
できないと思っています。
いつまでも、メタボの状態を解消でき
ないでいます。
毎年、人間ドックの結果を見るのが怖いと
思いながら、生活を変えないのであれば、
自業自得でしょう。
このような、人間の性質について、私は、
セラピストの石井裕之さんのお話しされた
「現状維持メカニズム」を思い出します。
これは、人には、顕在意識と潜在意識が
あり、太っている人は顕在意識で痩せな
ければならないと思っていても、潜在意識
では、急に現状を変えることは危険だと
考え、顕在意識が潜在意識に勝てない限り
痩せることはできないというものです。
その一方で、石井さんは、「自転車の
ペダルの法則」についてもお話しされて
おられます。
これは、自転車のペダルは、自転車を
こぎだしたときは重たいが、徐々に
ペダルがまわり始めたら、だんだん軽く
なるということを表しています。
難しいことであっても、くじけずに続けて
取り組んでいれば、徐々に状況が進展し、
そのうち、それが難しいものではなく
なっていくということです。
このことも、多くの方に容易に理解して
もらえることでしょう。
しかし、それでも、ペダルをこぐことさえ
しようとしない人がいます。
それはなぜなのか、実は、私は明確な
答えをみつけられないでいます。
稲盛和夫さんは、「思念は業(ごう)を
つくる」、すなわち、「思考は実現化
する」とお話しされています。
つまり、やる気になることが、目標を達成
するための重要な要素であるということを
指しているのしょう。
裏を返せば、いまの日本は閉塞感が漂って
いると感じている方が多いと思いますが、
私は、実は、まだ何もしていない人が多い
のではないかと思っています。
もし、コンサルタントが提案した改善策に
着手もせず、「もう、八方塞(はっぽう
ふさがり)だ」と感じている人がいると
すれば、それは、実は、大きな勘違いを
している人ではないかと私は思います。