鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

判断基準

先日、経営コンサルタントの木戸一敏

さんが、木戸さんのポッドキャストで、

判断基準を持つことが大切だとお話し

されておられました。


ご参考→ https://goo.gl/oTyj58


木戸さんが、かつてリフォーム会社を

経営していたとき、外注業先の職人の方と

うまくお付き合いができなかったことが

あったそうです。


最初は、気に入らないからというだけで

付き合いをやめるようなことをしては、

また、別の職人さんを探さなければ

ならないので、気に入らない職人さん

とも付き合いを続けていた。


しかし、あるとき、判断基準を設けて、

その基準に満たない職人さんには、

じっくり話し合い、それでも状況が

改善しないときは付き合いをやめる

ようにした。


そうすることで、職人さんとの紛議は

なくなるようになった、ということです。


私は、この判断基準を持つという木戸

さんの考え方は、おつきあいする職人さん

以外のことにもあてはまると思います。


例えば、「自分は、二代目経営者として

父親から旅館の社長を引き継いだ。


しかし、この時代にこの場所で旅館を

繁盛させることは至難の業だ」という

ような経営者の方とお会いしたことが

あります。


確かに、地方の旅館は経営が難しいと

私も考えます。


しかし、「経営を引き継ぐ」、「自社の

事業を旅館業とする」、「自社の事業を

行う場所を、現在の場所とする」という

ことは、果たして誰が決めたのかという

ことに疑問が残ります。


その経営者の父親は、旅館業という

事業を、現在の場所で営んでいましたが、

社長を引き継ぐことは依頼されたと

しても、どういう事業を行うか、どの

場所で事業を行うかということまで

依頼されているのでしょうか?


これは、当事者ではないから言えると

言われてしまうかもしれませんが、

旅館業を現在の場所で営まなければ

ならないというのは、変えることが

できないものではないと私は思います。


すなわち、「もうかる事業を選択する」

「もうかる場所で事業を行う」という

判断基準をその経営者の方が持つことに

よって、現状を変えることができる

可能性が残っていると私は考えます。


現状を変えることも易しいことではあり

ませんが、ゆでがえるの状態を続ける

くらいであれば、アントレプレナー

シップを持って、新しい事業に取り組む

ことの方が、収益の状況が好転する

可能性は高いと思います。


また、ここからは上から目線で恐縮

ですが、「自分は父親から儲からない

旅館業を引き継がされた」という

被害者的な立場を主張して、現状を

変えない言い訳にしているという面も

あると思います。


ここまで、旅館業を引き継いだ経営者の

方の例を書きましたが、経営者の中で

自社の事業がうまく行かない理由を

他人のせいにしてしまいがちであると

いうことは、私がここで述べるまでも

なく、多くの方が分かっていると

思います。


しかしながら、自分のことになると

気づきにくいことでもあると思います。


業況がよくならないと考えている方は、

「判断基準」を設けることで、本当に、

現状を変えることはできないのかと

いうことを確かめてみることも、現状を

打開するひとつのきっかけになるのかも

しれません。

 

 

 

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