鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

社長の仕事は人づくり

エステティックサロンの運営や化粧品販売

を手掛けている、ドクターリセラの社長、

奥迫哲也さんのご著書、「社長の仕事は人

づくり」 (https://amzn.to/2T4TMzE )を

拝読しました。


ご著書の内容は、私がこれまで何度か述べ

てきた( https://goo.gl/NMCfSV )、事実

前提ではなく価値前提で従業員が活動でき

るようになるための活動の実例が、たくさ

ん紹介されています。


そして、価値前提を定着させるためには、

一朝一夕ではなく、長期的な視点に立って

戦略的に働きかけることが必要であるとい

うことが、あらためて理解できます。


その活動の中で、印象に残ったものは、仕

事観の6つのレベルです。


これは、社員が働く目的は6段階あるとと

らえ、社員がそれを高めていくように働き

かけていくことによって、同社の理念であ

る「お客様第一」を実現できるようになる

と、奥迫さんは考えているそうです。


具体的には、1番下が、食べていくために

働くこと、すなわち、生存が目的です。


2番目が、生活水準を下げないように働く

こと、すなわち、維持です。


3番目が、おいしいものを食べたり、贅沢

なものを買ったりするために働くこと、す

なわち、娯楽です。


4番目が、会社や社会から与えられた役割

のための働くことです。


この役割のために働くことは、強い責任感

が必要になりますが、それでも、義務感で

働いている状態であり、目的が1番目から

4番目にある間は、受動的に働いているこ

とになるそうです。


しかし、奥迫さんの会社では、社員教育

力を入れてきた結果、5番目の、仕事を通

して自分を成長させることに喜びを感じる

こと、すなわち、学びを目的とする人が増

えてきたそうです。


さらに、フィロソフィー(理念)教育を通

して、6番目の、他者へ貢献することに喜

びを感じること、すなわち、喜びを目的と

する社員も増えているそうです。


これらの、5番目、6番目を目的として働

いている社員は、能動的に仕事をする状態

になっているそうです。


そのような社員は、奥迫さんの目が届かな

くても、会社の理念に従って能動的に仕事

をするので、顧客満足度が高まり、会社の

業績は、23年連続増収増益となったそう

です。


ちなみに、会社の教育費は、年間で2,0

00万円~3,000万円をかかており、

かつ、社員教育は、勤務時間内で行ってい

るそうです。


この仕事観の6つのレベルをご紹介するこ

とによって、他の会社も、社員教育に力を

入れて従業員満足度を高め、そして、顧客

満足度を高めるようにしなければならない

と、私が主張していると受け止める方が多

いと思います。


そのことも大切ですが、奥迫さんのご著書

のタイトル「社長の仕事はひとづくり」と

ある通り、社長の軸足は、事業の現場では

なく、組織作りに置くことが大切というこ

とを理解することが、もっと大切だと私は

考えています。


というのは、奥迫さんの会社で実践されて

いるような人づくりは、時間がかかり、ま

た、根気のいる活動です。


それに徹することができるかどうかが、会

社という組織のレベルを高めるかどうかに

つながります。


失礼な言い方になりますが、意識している

か意識していないかにかかわらず、業績の

芳しくない会社では、この、社長にしかで

きない役割から逃れようとしている社長が

多いと私は感じています。

 

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20181113225540j:plain

ローコストオペレーションは増益が前提

以前、しまむらのローコストオペレーショ

ン(LCO)をご紹介したことがありまし

た。


(ご参考→ https://goo.gl/E9Tqfa


LCOは、そのまま訳せば、「経費を低く

する活動」です。


経費を低くするということは、利益が増え

るということです。


でも、実態は、利益を増やすためにLCO

を実施している会社は少数のようです。


特に中小企業においては、価格競争に巻き

込まれ、自社商品の価格を引き下げるため

に、「LCOと名づけた単なる経費削減活

動」を行っていることが多いようです。


ありていに言えば、そのような会社では、

商品そのものに魅力がないために、価格で

しか勝負できなくなっており、先の見えな

い消耗戦に入ってしまっただけだと言えま

す。


そのような会社は、早晩疲弊し、事業が立

ち行かなくなる可能性が高まるでしょう。


こちらも以前にご紹介したことですが、L

COの好事例は、マクドナルドのハンバー

ガーです。


(ご参考→ https://goo.gl/pnMDqo


マクドナルドは、確かに、大きな経営資源

を持っていることから、強固なLCOを確

立できたのだと思います。


しかし、藤田田さんが、「満塁ホームラン

を狙うな、一歩一歩でいい、努力と時間を

かければ、巨大なエネルギーになると社員

に言っている」という通り、同社のLCO

は一朝一夕にできあがったのではなく、時

間をかけた戦略的な努力の集積によるもの

です。


今回の記事の結論は、単なる経費削減は、

真のLCOではなく、対症療法的な一時し

のぎでしかないということです。


経営資源の少ない中小企業は、非価格競争

力の高い商品の開発が適切であり、それを

避けるための、名前だけのLCOに逃げ込

むことは避けなければなりません。

 

 

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20181112231015j:plain

自社の味方を増やす

先日、ある税理士の方から、次のようなお

話しを聴きました。


すなわち、「ある顧問先から、今期の利益

が増えそうなので、納税額が増えないよう

にするために、売上高の一部を計上しない

で税務申告して欲しいと要請されたが、税

理士の矜持から、それを断り、顧問契約を

解除した」というものです。


この顧問先は、虚偽の税務申告をしようと

していることも問題ですが、その前の問題

として、利己的であるために、顧問税理士

の迷惑を考えていないということです。


恐らく、ほとんどの税理士の方は虚偽の税

務申告は請け負わないと思いますが、仮に

虚偽の税務申告をした税理士の方は、大き

なペナルティを被ることになります。


私も、前述の税理士の方と似た経験を持っ

ています。


すなわち、銀行から融資を受けられるよう

にするために、自社の実際の業況とは異な

る説明をしたり、あるいは、重要な事実を

秘匿したりした上で、銀行と折衝をするよ

うにと依頼されたことが、何度もありまし

た。


また、手間のかかる作業について、相応の

報酬を下回る金額で受けて欲しいと依頼さ

れたこともありました。


もちろん、これらのような依頼はすぐに断

るようにしています。


そして、そのような依頼を断る理由は、倫

理的に問題があったり、不採算であったり

ということもありますが、その前に、利己

的な経営者の方とはお付き合いしたくない

と私が考えているからです。


そのような方は、恐らく、税理士やコンサ

ルタントだけでなく、仕入れ先や従業員に

対しても同様に利己的な要求をするであろ

うし、そうであれば、会社の事業は長続き

しないでしょう。


こう考えていた中、先日、イエローハット

創業者の鍵山秀三郎さんのメールマガジン

を読み、少し。溜飲が下がる思いをしまし

た。


「私は、取引を続けることによって社員が

幸せになれるかどうかということを、取引

の判断基準にしています。


例えば、採算が得られない条件での取引を

要求している、ある大手スーパーから撤退

するとき、『鍵山さん、あなたの会社はつ

ぶれるよ、わかってんの?』と言われたの

で、『はい、あなたの会社からいじめられ

てつぶれるより、社員みんなで努力して、

そのうえでつぶれたほうがまだましです』

とお答えしました」


ビジネスパーソンは、利益を最優先して活

動しなければならないことに間違いはあり

ません。


しかし、自社に商品やサービスを提供しく

れる相手に、厳しい要求を出すことが、必

ずしも利益を最優先することではないと、

私は考えています。


もちろん、必要以上に相手の要求を受け入

れることも避けなければなりませんが、自

社への納品先も、自社の強力な味方にして

いくことの方が、自社の発展のための大き

な原動力になるのではないでしょうか?

 

 

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20181112210431j:plain

商業手形割引は融資取引

このように考える方は、少数ですが、商業

手形割引は融資ではないと考えている会社

経営者の方に会うことがあります。


その理由として考えられることは、商業手

形割引は、法律上は、手形の売買であると

いうことだと思います。


具体的には、商業手形割引は、割引依頼人

から銀行が手形を買い取り、割引料(買取

日から手形期日までの利息相当額)を手形

金額から差し引いて割引依頼人の預金口座

に入金します。


そして、手形期日になると、銀行は、割引

依頼人ではなく、手形の支払人に取立を行

い、手形代金を回収します。


このように、手形期日に割引依頼人は「返

済」はしないということも、商業手形割引

が融資ではないと考えてしまう要因になっ

ていると思います。


すなわち、「割引依頼人は返済をしない=

割引依頼人は融資を受けていない」という

考え方なのだと思います。


しかし、法律上は手形の売買であるとはい

え、実態は、商取引で発生した手形を担保

として融資をしていると銀行は考えていま

す。


なぜなら、銀行は手形支払人の信用で商業

手形割引をしているのではなく、割引依頼

人の信用で商業手形割引をしているからで

す。


(ただし、商業手形割引の融資審査におい

て、手形支払人の信用状況も判断材料とし

ています)


仮に、手形の支払人が上場会社など、信用

力の高い会社であれば、銀行は確実に回収

できるので、割引依頼人の信用は重要では

ないと考える方がいるかもしれません。


しかし、割引依頼人が手形支払人に対して

販売した製品に不具合があったり、割引依

頼人が手形支払人との間で結んだ契約通り

の仕事をしなかったとき、手形支払人はそ

れを理由として手形の決済を拒むこと(こ

れを2号不渡といいます)ができます。


そこで、最終的には、割引依頼人の信用が

問われることになるのであり、商業手形割

引は割引依頼人への与信(融資)と考える

べきなのです。


もうひとつ、商業手形割引が融資でないと

考えられてしまう理由として、銀行に商業

手形割引をしてもらった金額が、貸借対照

表の負債として計上されていないというこ

とが考えられます。


例えば、100万円の商業手形を銀行に割

引してもらい、5千円の割引料を支払った

場合、次のような仕訳が行われます。

 

(借方)


当座預金 995,000円

支払割引料 5,000円

 

(貸方)


受取手形 1,000,000円

 

このように、受取手形100万円を預金

99万5千円にしてもらうという取引に

なります。


これは、多くの会社で行っている、対照

勘定法という仕訳方法で、商業手形割引

額は負債勘定には計上されません。


(ただし、決算日時点の商業手形割引額

は、貸借対照表の欄外に記載することに

なっています。


さらに厳密に説明すると、「手形割引義

務見返」および「手形割引義務」という

科目も使うのですが、これについて説明

すると複雑になるので、ご関心のある方

は専門書でお調べいただきたいと思いま

す)


一方、評価勘定法という方法で、前述の

ような商業手形割引を行ったときの仕訳

は、次の通りとなります。

 

(借方)


当座預金 995,000円

支払割引料 5,000円

 

(貸方)


割引手形 1,000,000円

 

対象勘定法のときの受取手形勘定(資産勘

定)の代わりに、割引手形勘定(負債勘

定)が使われています。


すなわち、商業手形割引額が割引手形とい

う負債の勘定科目に計上されます。


その代わり、その手形が期日になったとき

に、次のような仕訳を行います。

 

(借方)


割引手形 1,000,000円


(貸方)


受取手形 1,000,000円

 

このように、手形期日に受取手形が回収さ

れることによって、負債も減ることになり

ます。


そして、正確な説明ではありませんが、銀

行では、商業手形割引について対照勘定法

で処理してある融資先の決算書は、評価勘

定法で処理してあるものに修正して融資審

査を行っているということになります。


(これは、銀行によっては考え方が異なる

場合もありますので、ご注意ください)


今回の記事の結論は、例え商業手形割引で

あっても、割引依頼人の信用が問われるの

であり、単なる手形の売買と考えるべきで

はないということです。

 

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20181111215615j:plain

リース契約の融資審査への影響

先日、会社がリースを利用したときの、融

資審査への影響についてご質問を受けまし

た。


(ここでは、リース取引について、その代

表的な契約である、所有権移転外ファイナ

ンスリースを前提に説明します。


一般的に、単にリースというと、この所有

権移転外ファイナンスリースのことをを指

します)


結論としては、未経過リース料相当額の融

資を受けているとみなされて、融資の審査

が行われると回答しました。


(厳密には、未経過リース料には利息相当

額が含まれており、リース会計基準で計上

することになっているリース債務の金額と

未経過リース料の額は異なりますが、ここ

ではほぼ同じ額として説明します)


ところで、かつては、「リースを利用する

貸借対照表はスリムになる」などといわ

れていました。


例えば、800万円の融資を受けて、これ

に自己資金200万円を合わせて、1,0

00万円の機械を購入した時、資産は1,

000万円増え(厳密には、機械の購入代

金と融資の差額の200万円分の手もと現

金が減少するので、資産全体の増加は80

0万円)、負債も800万増えます。


一方、リースを利用した場合、かつては、

リースは賃借料(リース料)を支払って、

リース会社の所有する機械を借りていると

いう考え方で会計処理をしていたので、

リース契約を結んでも、貸借対象表が膨ら

むことはありませんでした。


しかし、リース会計基準により、平成20

年以降は、リース契約を結ぶと、リース物

件相当額を「リース資産」という科目で資

産に計上し、同額を「リース債務」という

科目で負債に計上することになりました。


すなわち、会計の考え方では、リースは賃

貸借契約ではなく、融資契約を結んだ場合

と同じ考え方で会計処理をするということ

です。


ただし、中小企業では、リース会計基準

必ずしもしたがう必要はなく、多くの会社

は、賃貸借契約をしているという考え方で

会計処理をすることが認められています。


ただし、その場合であっても、未経過リー

ス料(貸借対照表の作成基準日より後に、

リース会社に支払うことになっている、残

りのリース料)を、貸借対照表の欄外に記

載することになっています。


結果として、残りのリース料を負債として

計上する(オンバランス)のか、貸借対照

表の欄外に記載(オフバランス)するのか

の違いで、中小企業であっても、未経過

リース料は負債と同じということになりま

す。


(オフバランスとされている項目は、負債

ではないという考え方もありますが、ここ

では、将来支払う義務があるという観点で

融資と共通しているので、未経過リース料

は債務と同等と、私は考えています。

 

そこで、前述のように、リースを利用して

いる会社は、融資審査においては、未経過

リース料相当額の融資を受けているとみな

されるということになります。


(銀行によっては、この記事とは異なる考

え方をしていることもありますので、あら

かじめご了承ください)

 

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20181109151900j:plain

成功者への妬み

先日、「地方を滅ぼす成功者への妬みのひ

どい構造」という、東洋経済新報社のネッ

ト記事を読みました。


(ご参考→ https://goo.gl/pVdG99


私も、銀行勤務時代に、この記事に書いて

あるような事例を見ることがありました。


地方では、地縁、血縁が強いことから、銀

行の融資取引のときは、その相手と他の会

社との関係にも気を配っていました。


例えば、ある会社から融資の依頼を受け、

それに応じると、その会社と血縁の強い会

社に対しても、同じ条件で融資をしなけれ

ばならなくなるということもあります。


(ここでいう血縁のある会社とは、経営者

同士が、親戚であったり、かつて同じ会社

で働いていた上司と部下の関係であったり

する会社をいいます)


本当は、会社の業績によって融資条件は変

えたいところなのですが、世間体や面子を

重要視する経営者は、自社の業績がよくな

くても、よい会社と同じ条件での取引を無

理強いをしてくることもあります。


そういった会社に対しては、銀行も、本音

では、有利な条件で融資を受けたければ、

業績をよくすればいいのにと考えているの

ですが、特に地方銀行のような、「地元」

を持つ銀行は、そのような無理強いを断る

ことは難しい状況にありました。


話を戻して、ご紹介した記事にあるような

成功者の足を引っ張るような慣例は、かつ

て、地域にある会社の中に業績の差ができ

てしまうことによって、落伍者が出てしま

うことになるので、それを防ごうとする暗

黙の了解があったためにできあがったもの

だと思います。


しかし、いまは、地方においても、交通の

便がよくなってきたことから、中小企業で

も広い地域で事業を展開するようになって

きており、「地元の会社」という考え方を

する人は減ってきていることから、ご紹介

した記事にあるような成功者の足を引っ張

るような風習は、徐々になくなっていくも

のと、私は考えています。


そして、その記事にもあるように、「挑戦

者を支え、成功者を称えることが地域を発

展させる」ことが、特に現在においては大

切だと思います。

 

 

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20181108145214j:plain

現場主義

経営コンサルタントの望月広愛さんのご書

著「文句ばかりの会社はもうからない!」

( http://amzn.to/2fiuPhw )に、平成18

年に公開された「県庁の星」という映画が

紹介されていました。


この映画は、織田裕二が演じるエリート県

庁職員が、人事交流でスーパーマーケット

に派遣され、柴咲コウが演じる、高校中退

のパート店員に指導係になってもらい、

スーパーマーケットの仕事を教わりなが

ら、やがて、民間の知恵を習得してスー

パーマーケットの業績を上げていくという

ストーリーです。


望月さんは、この映画で、公務員は前例踏

襲を金科玉条にするが、そのような考え方

は間違いで、顧客の要望に応えることを最

優先すべきであるということが学べると、

ご指摘しておられます。


これは、専門用語で、事実前提(前例を踏

襲したり、規則に盲目的に従うことを是と

する価値観)ではなく、価値前提(顧客の

要望に積極的に応じることで、獲得する利

益を増やすことを最優先とする価値観)が

大切だということです。


私は、この望月さんのご指摘のほかに、も

うひとつ、大切なことがこの映画で学べる

と感じました。


それは、接客業では、現場が豊富な知識を

持っているということです。


映画の中では、ときどきクレームの常習者

が来店するのですが、その対応は、柴咲コ

ウが演じるパート店員の二宮が対応すると

いう暗黙の了解が、従業員の間にできてい

ました。


というのも、二宮は勤務歴が長く、その

スーパーマーケットでは特殊な対応は二宮

にしかできなかったようです。


私は、そのような方法が必ずしも最善とは

思わないのですが、マニュアルに解決方法

が書かれていない仕事を、否応なく現場の

従業員はこなさざるを得ないということで

す。


これを言い換えれば、「人」を相手にする

商売は、マニュアルでは対応できないもの

ばかりであり、実地でノウハウを習得する

するしかないということです。


私も、かつて、銀行で働いているとき、顧

客をよく知っている窓口の女性職員に助け

てもらったことが何度もありました。


例えば、ある顧客から頼まれた仕事でミス

をしてしまったとき、窓口の女性職員に相

談すると、その会社の誰にどのように言え

ば許してもらえそうであるとか、場合に

よっては、その女性職員とその会社の社長

は仲がいいので、代わりに謝ってもらえた

ということがありました。


この例は、トラブル対応についてですが、

それ以外にも、直接顧客と話す機会のある

窓口の職員は、いろいろな情報を持ってい

て、そういった情報を営業活動のためにも

使っていたりしました。


正に現場主義だと思います。


とはいえ、事業活動の方針を決めるときに

現場の意見に偏りすぎることも問題がある

と思いますが、そういった情報を活用する

仕組が社内で共有できると、会社の営業力

は高まるものと私は考えています。


ちなみに、詳細な説明は割愛しますが、そ

のような現場の情報を活用とする仕組みと

して、ナレッジマネジメントシステムが開

発されています。

 

 

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20181107151652j:plain