鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

悪い報告こそ会社を救う

「悪い報告こそ会社を救う」ということは

多くの方がご理解されておられると思うの

で、私があえて説明するまでもないと思い

ます。


ところで、私は、この言葉をきくと、ある

会社のことを思い出しますので、今回は、

その会社のあるできごとと、それに関する

私の考えについて述べたいと思います。


その会社は、私の住まいの隣の街に本社が

あった外食店で、ジャスダックに上場する

までに成長しました。


ところが、平成17年に不適切な会計処理

が行われていることがわかり、その後、大

手の外食産業の傘下に入ることになりまし

た。


(ご参考→ https://goo.gl/LvNZYV


このできごとは、経理担当役員が、社長に

報告することなく、独断で不適切な会計処

理をしたと報告されています。


でも、経理担当役員が、なぜ、そのよう

なことをしたのかという点は疑問が残り

ます。


その役員が、会社のお金を私的に流用し

たのであれば別ですが、社長が望まない

ようなことをしたことには、それなりの

理由があるはずです。


これは、私がひとづてに聞いたうわさな

ので、客観的な証拠がなく、責任を持っ

た記述ではないことをご了解いただきた

いのですが、その会社の社長は、いわゆ

るワンマン社長で、指示したことに対し

て「未達成でした」という報告を受け付

けない人だったようです。


それは、売上目標についてはもちろんで

すが、利益についても、「今期は、これ

だけの利益を計上するように」と経理

当役員が社長から指示を受け、それが実

現できそうになかったために、それを言

い出せず、不適切処理をするに至ったよ

うです。


確かにこれは、うわさにすぎないかもし

れませんが、会計処理を経理担当役員が

独断で不適切に行ったということは、社

長と経理担当役員の関係が、正常ではな

かったということは事実でしょう。


そして、これは私の想像ですが、もとも

と、この会社の業績は芳しくなかったと

はいえ、もし、不適切会計が行われてい

なければ、社長の退任、他社への傘下入

りという事態を避けることができたかも

しれません。


そこで、社長が悪い報告をしてもらえる

ようになるにはどうしたらいいのかとい

うことは、もう、何億回と述べられてき

ているわけですから、ここでは述べませ

ん。


社長にとって、自分の最大の敵は、自分

の中にある慢心であるということを、こ

のような過去の実例を見て、ときどき思

い出していただければと思い、今回はあ

る会社のできごとについて取り上げまし

た。

 

 

 

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目標を暗記する

私はこれまで、高い目標を実現するには、

強い意志が必要という、稲森和夫さんの言

葉を何度もご紹介してきました。


ただ、「強い意志」というものが抽象的な

ので、具体的に強い意志とはどういうもの

なのかということについて触れたいと思い

ます。


稲盛さんは、意志の弱い例として、次のよ

うなことをお話しされておられました。


すなわち、「(かつての京セラでは)月例

会議のときは、皆が、今月の目標値をしっ

かりと発表する。


しかし、会議が終わるとそれらの目標値は

頭から消えてしまうようだ。


そこで、社内ですれ違ったときに、『あの

目標は、いま、どれくらいまで進んでいる

のか?』ときいても、『えーと、えーと』

と、答えに詰まってしまう」というもので

す。


ここまでのお話は、目標を達成しようとす

るならば、まず、目標を暗記するくらいの

ことをしなければだめだということになる

と思います。


ここで、もう少し、この稲盛さんのお話に

ついて考察してみたいと思います。


稲盛さんのお話のように、「意思が弱いか

ら、目標値を暗記できない」と考えること

ができると思いますが、私は、単に意思が

弱いというだけでなく、目標に関心が薄い

ために暗記できないとも思っています。


これは、私にも経験がありますが、毎日、

忙しく過ごしていると、目の前の仕事にば

かり気がとられてしまい、1か月の目標、

1か年の目標が頭から離れてしまいます。


でも、冷静に考えれば、毎日の仕事は目標

を達成するために取り組んでいるのであっ

て、毎日がんばっていても目標が達成でき

なければ、意味はありません。


そこで、日々の活動を有意義なものとする

には、目標が達成できる見込みかどうかと

いうことを、常に念頭に置く必要があるで

しょう。


すなわち、目標管理をしなければ、日々の

がんばりが報われないと考えれば、目標値

への関心が高まり、おのずと暗記できるよ

うになるでしょう。


希に、「目標にとらわれることが嫌だ」と

いう方もいますが、少なくとも、経営者や

幹部クラスの方がそのようなことを考える

ことは論外でしょう。


もうひとつ付け加えさせていただくと、稲

盛さんは、目標を常に頭に入れておくこと

が大切であるということも述べておられま

す。


すなわち、達成すべき目標が頭の中に入っ

ていると、普段の行動(=潜在意識による

行動)が、自然と目標達成のためのものに

なるということです。


このようなことは、多くの方が心あたりが

あると思います。


頭の中に入っていることがらに、普段の行

動が左右されてしまうということは、多く

の方が経験しておられるでしょう。


私の場合、出張中にレストランで食事をと

ると、料理が出てくるまでの待ち時間は、

席数、客単価、滞在時間数、営業時間など

から、そのお店の売上高などを計算したり

してしまいます。


話を戻して、仕事の目標を達成するための

意志を強くするには、(仕事という漠然と

したものに対してではなく、目標を達成す

ることに)関心を持つことが近道ではない

かということが、今回の記事の結論です。

 

 

 

 

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グループウェア

グループウェアときくと、電話やファクシ

ミリのように、いまではビジネスにすっか

り溶け込んでいると感じる方も多いと思い

ます。


ところが、意外なことに、現在でもグルー

プウェアを導入していない中小企業は少な

くありません。


その理由はひとつではありませんが、まず

指摘されるものは、ITリテラシーでしょ

う。


いわゆる鍵盤アレルギーの方は、いまでも

少なくないようですが、グループウェア

導入されない最大の理由は、ITリテラ

シーではないと、私は考えています。


では、何が最大の理由であると私が考えて

いるのかというと、失礼な言い方になるこ

とをお許しいただきたいのですが、より難

易度の高い仕事に挑もうとする意欲を、従

業員の方が持っていないからというもので

す。


端的に言えば、グループウェアは仕事を効

率化するためのツールですが、仕事が効率

的になると仕事の密度が濃くなります。


でも、現在の仕事の密度を濃くされること

はやめて欲しいと考えている、仕事への意

欲が低い人にとっては、グループウェア

のものが嫌なのではなく、それによって、

さらに多くの仕事をしなければならなくな

ることが嫌なのだと思います。


ここで、「それは、意欲のない従業員が問

題だ」と指摘することはできるのですが、

会社では、仮に従業員の方の意欲が低いと

すれば、それは経営者に責任があると考え

るべきでしょう。


この件については本旨ではないので、別の

機会に述べたいと思いますが、情報化など

の導入の失敗の典型例は、この例のように

ツールを導入するだけで効率が高まると経

営者の方が安易に考えてしまうことです。


グループウェアだけであれば、ここまでの

手順は踏みませんが、一般的に情報化武装

をするときは、環境分析→戦略策定→情報

資源調達→導入といった手順を踏みます。


(こちらの記事もご参考になさってくださ

い。→ https://goo.gl/PSShdB


この手順の中で、社内に十分な説明を行

い、合意形成をすることで、情報化武装

成功させることになります。


繰り返しになりますが、単に、ツールを社

内に持ち込むだけでは情報化武装は成功し

ないので、単に新しいツールを使うと考え

るのではなく、新しい戦略を実践するため

に、新しいツールを使うと考えなければな

りません。


話を戻して、私が事業改善のお手伝いをす

るときに、もし、その会社にグループウェ

アが導入されていないときは、それを導入

するようお薦めしています。


それは、すぐに仕事が効率化できるという

理由もありますが、従業員の方に新しいこ

とをしたり、密度の濃い仕事をしたりする

ことは楽しいと考えてもらえるようにする

ためです。


これが成功すれば、次に、本格的に新しい

戦略を実践するために、情報化武装を提案

します。

 

 

 

 

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人生はつりあう

今回の記事は、非論理的な面もありますの

で、ご了承ください。


私は、かつて、稲森和夫さんが次のように

お話しされておられたことを、ときどき思

い出します。


すなわち、稲盛さんが帰依している臨済宗

の教えに因果応報があるが、稲盛さんが若

い時に、自分が懸命によいことをしても、

その報いがあることをあまり感じることが

できないでいた。


逆に、よい行いをあまりしていない人が幸

せになっていると思えるときもあった。


ところが、ある時、稲盛さんの知人が勝手

に稲盛さんのことを占い師に占ってもらっ

て、その内容を伝えてきた。


それによると、稲盛さんは、前の年に大き

な病気を患うことになっていた。


しかし、現実には病気になることはなく、

現在、自分は健康でいる。


それは、きっと、これまでよい行いをして

きたことから、その報いによって災いを防

ぐことができたからであって、単に、自分

がそれに気づかないでいただけだった、と

いうものです。


このお話は、稲森さんがどう感じたかとい

うことであって、稲森さんがよい行いをし

たことによって、大病を患うことを防ぐこ

とができたということを、客観的に証明す

ることはできません。


したがって、因果応報の法則も本当なのか

ということも、証明できません。


しかし、稲森さんは因果応報の法則を信じ

て、それを実践してきた結果、すばらしい

実績を残してきておられるということを考

えると、証明できないからといって、因果

応報の法則を否定するよりも、証明できな

いかもしれないが、それが会社の事業を発

展させるために役立つ考え方だというよう

に理解すれば、多くの経営者の心の支えに

なるのではないかと私は考えています。


人は心が弱い面があり、仕事をしている時

に、「こんなことをしても、どうせ効果が

ない」などと、弱音をはきたくなる時があ

ります。


でも、「会社や社会のためにがんばれば、

必ずその報いがある」と信じることができ

れば、弱気になった状況を乗り越えること

ができると私は考えています。


実は、経営は、宗教、倫理、道徳などと密

接な関係があります。


その代表的な例は、ドイツの社会学者マッ

クス・ヴェーバーが、主著、「プロテスタ

ンティズムの倫理と資本主義の精神」

( https://amzn.to/2Aa760e )に書いた内

容です。


すなわち、プロテスタントが禁欲主義に基

づいて事業活動をした結果、資本主義が発

展したというものです。


人は単独では自分を律することが難しいた

め、神仏の教えにしたがうと考えることに

よって、苦しいことであっても乗り越える

ことができるようになるのでしょう。


私自身も怠け心が強いので、前述の稲盛さ

んのエピソードを、ときどき思い出しなが

ら、怠けないように自分に言い聞かせてい

ます。

 

 

 

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フィンテックに関する誤解

日経ビジネス2018年7月2日号に、

「広がる資金繰り革命フィンテックで中小

企業を救え」( https://goo.gl/zAxhsH )

という記事に、誤りが書かれていたので、

今回は、その誤りの内容と、フィンテック

に関する誤解について、書きたいと思いま

す。


誤りはいくつかあるのですが、そのひとつ

めは、サプライチェーンファイナンス

電子記録債権化した売掛金の買取)に

よって、中小企業が安い割引料(≒金利

で売掛債権を買い取ってもらえるように

なったという記述です。


具体的には、銀行の割引料は、1%台後半

~3%程度であるのに対し、サプライチェ

ーン・ファイナンスでは1%かそれ以下と

述べています。


そして、それが実現できる理由として、売

掛債権を支払うのは、仕事の発注元である

信用力のある大企業なので、大企業の信用

力によって、割引料率を低くできると説明

しています。


割引料が低いことは事実とは思いますが、

その理由については、明らかに誤っていま

す。


現在、大手銀行の短期プライムレートは、

1.475%です。


これは、銀行が最も優遇する会社に対して

融資する、最優遇金利という意味です。


(ただし、最近は、これも形骸化しつつあ

り、希に、プライムレートを下回る融資も

行われることもあるようです)


この金利の根拠は、資金調達コスト(≒預

金者に対して支払う預金金利など)+信用

コスト(融資が返済されないことによる損

失の見込み)+事務コスト(職員の給与や

システム運営コストなど)+銀行のもうけ

です。


現在は、低金利時代なので、資金調達コス

トは限りなく0に近く、また、最も優遇す

る会社への融資なので、信用コストも限り

なく0に近いので、事務コスト+もうけが

おおよそ1.475%となります。


これが100%妥当とは言い切れないまで

も、決して、高すぎるとは思えません。


このような前提で、中小企業が大企業の売

掛債権を銀行に買い取ってもらうときの割

引料率が1%台後半であるとすれば、売掛

債権を支払う大企業の信用力は反映されて

いると言えます。


一方、サプライチェーンファイナンス

は、1%の割引料率で大手企業の売掛債権

を買い取っているとすれば、それは、売掛

債権を支払う大企業の信用力があるからと

はいえず、事務コストで銀行に優位に立っ

ているからと言えるでしょう。


少なくとも、サプライチェーン・ファイナ

ンスと比較して、銀行の割引料率が高いの

は、大企業の信用力が反映されていないと

いうのは、考えにくいと言えます。


ちなみに、大企業の売掛債権が履行される

確実性は高いとはいえ、仮に、仕事を受注

した中小企業が、その仕事に瑕疵(欠陥)

があると、発注者は売掛債権の支払いを停

止(これを人的抗弁といいます)すること

があります。


したがって、売掛債権の買取は、一見、支

払う会社の信用力が高ければ確実に支払っ

てもらえるように考えられがちですが、最

終的には、買取を依頼する側の信用力が問

われるということに注意が必要です。


また、この記事では、大企業はTIBOR

東京銀行間取引金利の略称で、7月24

日の12か月金利は約0.136%)で融

資が受けられるが、中小企業は短期プライ

ムレート(1.475%)以上でしか融資

を受けることができず、低金利の恩恵を受

けていないと指摘しています。


しかし、TIBORで融資を受けられる条

件は、銀行と同等の信用格付けを持ってい

る会社が10億円単位(通常は100億円

以上)で融資を受けるなどの条件があり、

(銀行から見れば小口融資である)数百万

円~数千万円の融資を受ける中小企業と、

単純に融資金利を比較することは不適切で

しょう。


次の誤りとして、リクルートが、同社のホ

テル予約サイトの予約データをもとに審査

を行い、申し込みから最短30分で着金す

るというサービスを紹介しています。


そして、同社のファイナンス会社社長の言

葉として「決算書に頼った融資では未来予

測はできない、既存の金融機関ができない

ところを埋めている」というコメントを載

せています。


確かに、銀行は、予約サイトのデータを直

接見ることはしていませんでしたが、とは

いえ、利用者数などの状況を加味して融資

審査をすることは当然であり、前述のコメ

ントは誤解に基づくものです。


また、このサービスに関連して「決算資料

や事業計画書、資金繰表の提出も不要」と

述べていますが、これらの資料は、本来、

自社自身のために作成すべき資料であり、

銀行の都合で作成・提出を強いられている

というような言及も、前提が異なります。


文字数の制約から、記事の誤りの指摘につ

いてはここまでとしますが、記事を書いた

記者の知識不足もさることながら、フィン

テックへの過剰な期待が前面に大きく表れ

ているということを感じました。


確かに、中小企業への融資はなかなか伸び

ていませんが、日経ビジネスの記者は、既

存の銀行の力量不足がその原因と考え、そ

して、フィンテックがそれを解消してくれ

るという大きな期待を持っているのでしょ

う。


私も、銀行に改善の余地は残っていると思

いますし、銀行の融資業務に情報技術はた

くさん採り入れるべきと思っていますが、

新技術だけで改善されるほど、現在の銀行

の抱える問題は単純ではありません。


これまで他の記事でも述べてきましたが、

銀行は融資は伸ばしたいと考えているので

あって、融資を受けることができない会社

があった場合、その最大の原因は、銀行の

怠惰であるというような理解をすること

は、ますます問題の解決を遠ざけることに

なると、私は考えています。

 

 

 

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業績の伸びる会社と伸びない会社

これは、私が改めて述べるまでもないこと

ですが、伸びる会社の経営者は、たくさん

の行動をしている一方で、伸びない会社の

経営者は、行動があまり活発ではないよう

です。


これを言い換えると、成功する経営者は、

自分の能力を高めることに積極的であり、

だから、たくさんの行動につながるのだと

思います。


逆に、成功しない経営者は、自分を変える

ことを嫌い、自ら行動することに消極的な

方だと思います。


このことも、多くの方が容易に理解される

内容だと思うのですが、私のこれまでの事

業改善のお手伝いの経験からは、意外と、

新たな行動を起こす経営者の割合は少ない

と感じています。


今回、この経営者の行動について記事を書

いた理由はここで、「自社の業績を高める

ためのよい方法がない」と感じている経営

者の多くは、実際は、「自社の業績を高め

る方法を実践していない」という場合が多

いということです。


業績を改善するには、従来のやり方を変え

なければならないということは、誰でも理

解すると思うのですが、それは、多くの場

合は、従来より難しいことでもあります。


仮に、難しさはあまり変わらなくても、

やったことのないことを始めるということ

も、ある程度のパワーが必要になります。


そこで、「改善策は、明日にしよう」と、

無意識に先延ばししてしまうことが多いよ

うです。


これも当たり前のことなのですが、業績を

よくしたいと思う人はたくさんいる一方、

業績をよくするには、経営者の行動も従来

と変えなければならないと「理解」してい

る(頭で理解しているだけでなく、行動に

なるまで理解している)経営者の方は、実

際には少ないと、私は、感じています。


よく、「景気がよくならないかなぁ」と嘆

く経営者の方がいますが、それは、「自分

の現在の商売のやり方を変えず、今のやり

方でも売上が増えてくれる世の中にならな

いかなぁ」という、依存的な嘆きではない

かと私は考えています。


ここまで、暗い話題を書いてきましたが、

これを180°考え方を変えれば、明るい

トピックになります。


すなわち、行動さえすれば、業績は改善す

る確率が高まるということです。


繰り返しになりますが、私がこれまで事業

改善のお手伝いをしてきた会社で、改善が

うまくいかなかった会社のほとんどは、改

善策を実施してうまくいかなかったために

改善に失敗したのではなく、改善策を実施

しなかったので改善に失敗しています。


ちょっと厳しい言い方ですが、自社の業績

を改善する方法があるのに、それを実践し

ないのだとすれば、それは、敵前逃亡にも

等しいと思います。

 

 

 

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VRIO分析

今回は、経営戦略を策定するにあたって、

内部環境を分析する手法であるVRIO分

析について説明します。


VRIO分析の特徴は、自社の強みが持続

して優位性を発揮するかどうかを分析する

ための手法で、米国のバーニーによって提

唱されました。


このVRIOとは、経済価値(Value)、希

少性(Rarity)、模倣困難性(Inimitabili-

ty)、組織(organization)の4つの視点の

頭文字をとって名付けられています。


具体的には、自社の強みについて、それ

ぞれの視点に合致するかどうかを見て行

きます。


(1)経済価値:市場において顧客から強

みの価値を認識されているか。


(2)希少性:市場において強みの希少性

を認識されているか。


(3)模倣困難性:強みが他社に模倣され

にくいか。


(4)組織:強みを十分に発揮できる組織

が整っているか。


分析の手順としては、まず、調べようとす

る強みについて、価値があるか→希少性が

あるか→模倣されにくいか、という順に見

て行きます。


該当するものが多いほど、その強みは優位

性が持続するということが確認できます。


そして、最後に、その強みを十分に発揮で

きる組織が整っているかどうかを確認しま

す。


強みの優位性があっても、それを発揮でき

る組織がなければ、成果にはつながりませ

ん。


このような手順を見ると、VRIO分析を

提唱したバーニーは、組織が強みを発揮で

きる状態になっているかどうか、すなわち

組織の能力が、強みを発揮するための大き

な要因になっていると考えていると思われ

ます。


あくまで仮設とはいえ、この、バーニーの

考え方を理解する人は多いと思います。


しかしながら、自社の強みを発揮しようと

する会社は多いものの、組織の力を高める

よりも、何かよい商品はないか、何かよい

販売方法はないかということを先に考える

経営者の方が多いと思います。


というのも、組織の能力を高めることは、

労力や時間がかかり、かつ、経営者にとっ

て難しい課題であるからだと思います。


このことも、これまで何度も述べてきまし

たが、経営者の方が、自社の競争力を高め

ようとするのであれば、組織の力を高める

ことが中心的な課題となるということを、

より深く認識すべきと思います。


ちなみに、私は自らを「組織の力を高める

ためのコンサルタント」と述べています

が、その理由はこのような考えに基づいて

います。

 

 

 

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