鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

人生はつりあう

今回の記事は、非論理的な面もありますの

で、ご了承ください。


私は、かつて、稲森和夫さんが次のように

お話しされておられたことを、ときどき思

い出します。


すなわち、稲盛さんが帰依している臨済宗

の教えに因果応報があるが、稲盛さんが若

い時に、自分が懸命によいことをしても、

その報いがあることをあまり感じることが

できないでいた。


逆に、よい行いをあまりしていない人が幸

せになっていると思えるときもあった。


ところが、ある時、稲盛さんの知人が勝手

に稲盛さんのことを占い師に占ってもらっ

て、その内容を伝えてきた。


それによると、稲盛さんは、前の年に大き

な病気を患うことになっていた。


しかし、現実には病気になることはなく、

現在、自分は健康でいる。


それは、きっと、これまでよい行いをして

きたことから、その報いによって災いを防

ぐことができたからであって、単に、自分

がそれに気づかないでいただけだった、と

いうものです。


このお話は、稲森さんがどう感じたかとい

うことであって、稲森さんがよい行いをし

たことによって、大病を患うことを防ぐこ

とができたということを、客観的に証明す

ることはできません。


したがって、因果応報の法則も本当なのか

ということも、証明できません。


しかし、稲森さんは因果応報の法則を信じ

て、それを実践してきた結果、すばらしい

実績を残してきておられるということを考

えると、証明できないからといって、因果

応報の法則を否定するよりも、証明できな

いかもしれないが、それが会社の事業を発

展させるために役立つ考え方だというよう

に理解すれば、多くの経営者の心の支えに

なるのではないかと私は考えています。


人は心が弱い面があり、仕事をしている時

に、「こんなことをしても、どうせ効果が

ない」などと、弱音をはきたくなる時があ

ります。


でも、「会社や社会のためにがんばれば、

必ずその報いがある」と信じることができ

れば、弱気になった状況を乗り越えること

ができると私は考えています。


実は、経営は、宗教、倫理、道徳などと密

接な関係があります。


その代表的な例は、ドイツの社会学者マッ

クス・ヴェーバーが、主著、「プロテスタ

ンティズムの倫理と資本主義の精神」

( https://amzn.to/2Aa760e )に書いた内

容です。


すなわち、プロテスタントが禁欲主義に基

づいて事業活動をした結果、資本主義が発

展したというものです。


人は単独では自分を律することが難しいた

め、神仏の教えにしたがうと考えることに

よって、苦しいことであっても乗り越える

ことができるようになるのでしょう。


私自身も怠け心が強いので、前述の稲盛さ

んのエピソードを、ときどき思い出しなが

ら、怠けないように自分に言い聞かせてい

ます。

 

 

 

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