鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

目標を暗記する

私はこれまで、高い目標を実現するには、

強い意志が必要という、稲森和夫さんの言

葉を何度もご紹介してきました。


ただ、「強い意志」というものが抽象的な

ので、具体的に強い意志とはどういうもの

なのかということについて触れたいと思い

ます。


稲盛さんは、意志の弱い例として、次のよ

うなことをお話しされておられました。


すなわち、「(かつての京セラでは)月例

会議のときは、皆が、今月の目標値をしっ

かりと発表する。


しかし、会議が終わるとそれらの目標値は

頭から消えてしまうようだ。


そこで、社内ですれ違ったときに、『あの

目標は、いま、どれくらいまで進んでいる

のか?』ときいても、『えーと、えーと』

と、答えに詰まってしまう」というもので

す。


ここまでのお話は、目標を達成しようとす

るならば、まず、目標を暗記するくらいの

ことをしなければだめだということになる

と思います。


ここで、もう少し、この稲盛さんのお話に

ついて考察してみたいと思います。


稲盛さんのお話のように、「意思が弱いか

ら、目標値を暗記できない」と考えること

ができると思いますが、私は、単に意思が

弱いというだけでなく、目標に関心が薄い

ために暗記できないとも思っています。


これは、私にも経験がありますが、毎日、

忙しく過ごしていると、目の前の仕事にば

かり気がとられてしまい、1か月の目標、

1か年の目標が頭から離れてしまいます。


でも、冷静に考えれば、毎日の仕事は目標

を達成するために取り組んでいるのであっ

て、毎日がんばっていても目標が達成でき

なければ、意味はありません。


そこで、日々の活動を有意義なものとする

には、目標が達成できる見込みかどうかと

いうことを、常に念頭に置く必要があるで

しょう。


すなわち、目標管理をしなければ、日々の

がんばりが報われないと考えれば、目標値

への関心が高まり、おのずと暗記できるよ

うになるでしょう。


希に、「目標にとらわれることが嫌だ」と

いう方もいますが、少なくとも、経営者や

幹部クラスの方がそのようなことを考える

ことは論外でしょう。


もうひとつ付け加えさせていただくと、稲

盛さんは、目標を常に頭に入れておくこと

が大切であるということも述べておられま

す。


すなわち、達成すべき目標が頭の中に入っ

ていると、普段の行動(=潜在意識による

行動)が、自然と目標達成のためのものに

なるということです。


このようなことは、多くの方が心あたりが

あると思います。


頭の中に入っていることがらに、普段の行

動が左右されてしまうということは、多く

の方が経験しておられるでしょう。


私の場合、出張中にレストランで食事をと

ると、料理が出てくるまでの待ち時間は、

席数、客単価、滞在時間数、営業時間など

から、そのお店の売上高などを計算したり

してしまいます。


話を戻して、仕事の目標を達成するための

意志を強くするには、(仕事という漠然と

したものに対してではなく、目標を達成す

ることに)関心を持つことが近道ではない

かということが、今回の記事の結論です。

 

 

 

 

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