鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

アカウンティングとファイナンス

[要旨]

経営に関する数字の分野には、大きくアカウンティングとファイナンスの2つがります。アカウンティングは財務会計管理会計があります。ファイナンスは、投資家の視点から会社の業績を分析することです。


[本文]

今回から、早稲田大学ビジネススクールの西山茂教授のご著書、「『専門家』以外の人のための決算書&ファイナンスの教科書」から、私が気づいた点について、何回かに分けて、ご紹介して行きたいと思います。今回は、アカウンティングとファイナンスについてです。「経営に関する数字の分野としては、大きくアカウンティングとファイナンスの2つがある。(中略)アカウンティングは、企業の立場から数字を扱っていくもので、具体的には2つの分野に分かれている。

1つは、企業の業績を企業外部に報告する資料である財務諸表(中略)、また、それをどう分析していったらよいのかに関連する財務会計。もうひとつは、企業内部で経営管理のために数字を使っていくことに関連する管理会計である。(中略)一方で、ファイナンスは、企業の外部にいる投資家(資金提供者)の立場から、企業の数字を扱っていくものである。上場公開企業では、株主や銀行、さらには社債保有者から資金を預かって事業を行っている。

したがって、投資家の考え方を理解し、投資家の評価を高めるような経営を行ない、最終的には企業価値、さらに、時価総額、株価を高めていくために数字を活用していくものがファイナンスである」近年、「ファイナンス」への関心は高まりつつあるようですし、だからこそ、西山教授がご著書を上梓されたのでしょう。ただ、私は、西山教授が指す「ファイナンス」には、呼び方に違和感を感じます。「ファイナンス(finance)」は、名詞としては、財政学、財務、融資、資金供給であり、動詞としては、融資をする、資金提供をする、信用を供与するという意味です。

したがって、ファイナンスからは、西山教授の言うように、「投資家の立場から、企業の数字を扱っていくもの」という意味までは、私としては連想できません。もし、私がそれを指すとすれば、「投資家向け管理会計」と言うと思います。とはいえ、呼び方はどうであれ、これからは、会社経営者は、投資家や銀行など、資金提供者を、より重視しなければならない時代になっているので、「ファイナンス」の重要性は高まっていることに間違いはないと思います。したがって、「ファイナンス」は西山教授が指すものとしても、広く認知されると思います。

2022/4/14 No.1947

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