鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

会計はブレーキにもアクセルにもなる

[要旨]

会計的なデータは、経営者の方にとっては、ネガティブな情報を明確にすることから、目をそむけたくなる場合もあるでしょう。しかし、同様に、ビジネスチャンスも明確かにしてくれるツールであることから、経営者の方は、会計的な知識を身に付けることは大切です。


[本文]

先日、サンリオピューロランドの社長の小巻亜矢さんの講演を聴いてきました。小巻さんは、2014年からピューロランドの館長(その後、社長)として、同館の運営に携わっていますが、売却も検討されていた同館の業績を回復させてきていたことから、私も、小巻さんに注目していました。そして、小巻さんは、ご著書、「逆境に克つ!サンリオピューロランドを復活させた25の思考」の中で、館長に就任してから簿記を学んだと書いておられました。

というのも、小巻さんは、それまで企画立案が主な仕事であり、数字は苦手だったそうです。しかし、経営会議で財務諸表を提出されるようになり、よく理解できなかったことから、簿記を学び、その結果、いままで見えなかったことが見えるようになったということだそうです。そこで、前述した小巻さんの講演で、小巻さんへの質問の機会があったことから、私は、「数字が苦手な経営者の方に、数字が得意になるようになるためのアドバイスをするとすれば、どのようなことをお伝えしますか」と、小巻さんに質問しました。

これに対し、小巻さんは、「会計は、アクセルにもなりブレーキにもなる(素晴らしい)ものとお伝えしたい」とお答えくださいました。アクセルとブレーキは、何の比喩なのかについては、直接的にはご説明がなかったのですが、恐らく、会計的なデータは、事業活動を制止する役割(ブレーキ)だけでなく、ビジネスチャンスを気づかせてくれる役割(アクセル)もあるということだと思います。

経営者の方の中には、会計データは、自社の収支状況が悪化したことを明確にしてしまい、あまり目を向けたくないものと感じている人もいるかもしれません。会計データには、確かにそのような面もありますが、ビジネスチャンスを見つけさせてくれるツールでもあるということも事実でしょう。小巻さんは、恐らくそのようにお伝えしたかったのでしょう。

2021/12/6 No.1818

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