[要旨]
コンビニエンスストアのセルフレジは、事務効率化のためだけでなく、従業員による不正を防ぐ目的で設置されています。このように、仕組みで不祥事を防ぐ対策を行うことは、漠然とした注意喚起よりも効果が期待できます。
[本文]
弁護士の向井蘭さんが、向井さんのポッドキャスト番組で、従業員の横領についてお話しておられました。その中で、コンビニエンスストアのセルフレジは、従業員と顧客が直接接触することを接触を防いだり、事務の効率化の面もあるが、従業員による現金の横領を防ぐ狙いもあると指摘しておられました。
ほとんどの経営者の方は、従業員の方を信用していると思いますが、その一方で、本の少しの不心得な人のために、横領が起きてしまうことも事実です。また、真面目に働いているにもかかわらず、何らかの要因で現金が不足してしまったために、その場にいた従業員が横領を疑われてしまうこともあります。そのようなことが起きることを避けるためにも、事務上のリスクを防ぐための仕組みづくりは、向井さんがご指摘しておられたように、とても重要だと思います。
ちなみに、ダスキン武蔵野も運営している経営コンサルタントの小山昇さんも、ダスキン部門の従業員が、2回、交通事故を起こしたところは、すべての従業員に対して通行禁止にしたそうです。単に、「交通事故に気をつけるように」という漠然とした指示ではなく、さらに具体的な事故回避のための指示をだすことが、本当のリスク管理だと思います。このようなリスク防止対策を積み重ねて行くことも、経営者の重要な役割であり、それを継続して行くことで、組織としての競争力も高まっていくことになります。
2021/9/29 No.1750