鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

資金管理ができない責任の51%は社長

[要旨]

中小企業の経営者は、営業活動が得意な方が多いことから、資金管理を怠ることが多いようです。しかし、事業活動にとって資金管理は欠かすことができない活動なので、当初は、コストがかかってでも資金管理ができる体制を整えることが必要です。


[本文]

今回も、経営コンサルタントの篠崎啓嗣さんのご著書、「社長!こんな会計事務所を顧問にすればあなたの会社絶対に潰れませんよ!」の内容について、私がとても共感した部分についてご紹介します。篠崎さんは、事業活動の血液でもある資金管理ができていない会社は少なくなく、そのような状態の責任の51%は経営者に帰すると述べています。

ちなみに、残りの責任の割合の49%は、会計事務所と銀行に24.5%ずつあるそうです。これらの責任の割合は、感覚的なものなので、その妥当性は私も明確に述べることができないのですが、経営者の方に最も大きな責任があるということに間違いはないでしょう。

では、なぜ、資金管理ができていない会社の経営者は、それを怠っているのかということについては、篠崎さんは、多くの経営者は、営業活動が得意な人が就くからと指摘しています。確かに、中小企業の多くは、まず、売上を得ようとするところに注力するので、資金管理までは、なかなか目が届かないことも事実でしょう。また、これも篠崎さんがご指摘しておられますが、簿記の知識がないと、資金繰表を作成することはなかなか難しく、会計的な知識がない経営者は、資金管理を避けたがるのでしょう。

ただ、この資金管理の重要性は、篠崎さんがご指摘されるまでもなく、古くから広く認識されているにもかかわらず、いまだに軽視している会社が少なくないということが問題だと思います。そして、これは私の経験から感じるのですが、過去1年分の月次資金繰実績表と、これからの1か年分の月次資金繰予定表、5年程度の年次資金繰予定表を銀行に提出するだけでも、融資を受けやすくなります。

それにもかかわらず、資金繰表を作成しないまま、「銀行が融資に応じてくれない」と言っている経営者がいるとすれば、例え方が不適切な面もありますが、病気になった人が、身体の精密検査を拒みつつ、医師の方に薬の処方箋を出して欲しいと言っているようなものです。この資金管理については、手間がかかることはいえ、経営者の方が考え方を変え、管理できる体制を整えるしかないようです。

篠崎さんも、オプション料金を払ってでも、最初は、会計事務所に資金繰表を作ってもらうべきと述べておられます。その費用を惜しいと感じる経営者の方もいると思いますが、資金管理は欠かせないものであるし、それがあれば、事業活動を効率化させることができたり、もっと積極的に事業活動ができるようになるなど、コスト以上の効果を感じることができると思います。

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