鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

持続化給付金を受給した会社への融資審査

[要旨]

持続化給付金等を受け取った会社は、見かけ上の収益が増加しますが、銀行はそのことで会社を消極的に評価することはなく、また、融資審査への影響もないと思われます。


[本文]

先日、知人のコンサルタントの方から、持続化給付金を受けた会社について、給付金の分だけ、会社の赤字額が減少する(黒字額が増加する)が、銀行の融資審査においては、その影響をどう見るのかという質問を受けました。今般の政府のコロナ支援策により、持続化給付金で最大200万円、家賃支援給付金で最大600万円が、1社に対して支給されますが、その分だけ、会社の収益が増えます。(この他に、コロナ支援策には、雇用調整助成金や持続化補助金などもありますが、ここではこれらも持続化給付金と同様のものとして説明していきます)

では、これらの収益増加額について、銀行は融資審査上、どう見るのかというと、このような給付金は初めての制度なので、まだ、実態については、私は把握していません。したがって、私が銀行の融資担当者であったとしたら、どう判断するかということを述べたいと思います。それは、給付金等による収益増加額は、そのまま、収益増加実績として融資審査をするでしょう。

ただし、本業の回復状況などを見るときは、売上高や営業利益の推移を見て確認するでしょう。というのは、給付金等は、営業外収益か特別利益として計上されると思われるので、本業の状況は、損益計算書の営業利益を見ることで把握できます。銀行としては、できれば、融資相手の会社の本業そのものの回復が望ましいと考えると思いますが、本業以外の収益とはいえ、給付金等は事業の改善にとっては有利ですから、給付金等を受け取っていることを否定的には評価することはないでしょう。

ただ、現在の日本の収益環境が厳しい中にあっては、銀行はそのことを考慮して融資審査するので、給付金等を受け取っているかどうか、また、受け取っている場合は、その額がどれくらいかということは、融資審査の比重においては、あまり大きくないと思われます。

 

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