[要旨]
リースは、融資と比較してコストが高いものの、サービス全体からみれば、割安であるということが言えます。
[本文]
前回までは、リースの利点について説明しましたが、今回は、リースの欠点について説明します。リースの欠点で、多くの人が、最初に思い浮かべることは、解約ができないということだと思います。ただし、この解約できないことは、私は欠点ではないと思っています。なぜなら、融資を受けて設備を調達したとき、後になってその設備が不要になり、設備を販売した会社に設備を返品したいと考えても、ほとんどの場合、それを断られるでしょう。
したがって、リースを金融サービスと考えたとき、融資とリースで差はないと考えられます。ただ、リースを賃貸借契約と見た場合、レンタルと比較すると、レンタル品を利用しなくなれば、それをレンタル会社に返却できるので、リース会社の解約不可という性質は負担が大きいという印象を持つ人もいると思います。しかし、リースは、実質的には金融サービスなので、私は、リースをレンタルと比較することは、そもそも妥当でないと思っています。
次に、リースの欠点として、融資を利用したときと比較して、コストが大きいということが挙げられます。厳密には比較はできないものの、融資金利と、リース料に含まれる金利相当額を比較した場合、一般的には、リース料に含まれる金利相当額の方が多いようです。ただ、私は、リースには、前回まで説明してきたような多くの利点があり、単なる金融サービスではなく、総合的なサービスと考えた場合、リースの見かけ上のコストの高さは、メリットの多さから見れば、採算の合うものであると考えています。
しかし、もともと自己資金が潤沢で、あまり融資も利用していないという会社から見ると、リースを利用する利点があまり感じられないということもあるようです。ただ、これは、リースそのものの欠点というよりも、自己資金がある会社には、金融サービスの必要性はあまり高くないということなのだと思います。以上の点をまとめると、リースの欠点と言える面はあるものの、トータルでは、利用したときの利点の方が大きいサービスであると考えられるということです。次回は、リースをさらに理解していただくために、リース会計について説明する予定です。