[要旨]
リースは、リース物件を調達するために必要な資金の全額をリース会社が負担するので、銀行融資と比較してユーザーの負担が少ない。
[本文]
前回は、リースは銀行融資と同様のファイナンスサービスということについて説明しました。そこで、今回は、銀行融資とリースの違いについて説明します。私が、リースを利用することの最大の利点であり、かつ、同時にリースの最大の特徴でもあると考えることは、リース物件を調達するときに、それにかかる費用の全額をリース会社が負担するということです。これは、融資を受けて設備を調達するときは、一般的に、20~30%の自己資金が必要になることと比較して、ユーザーの負担が軽くなります。
では、なぜ、リース物件の調達費用の全額を、リース会社が負担するのかというと、それは、リース契約は賃貸借契約であり、リース物件の所有権はリース会社が持つからです。このような根拠はどうであれ、リースを利用してリース物件を調達するときに、ユーザーは資金的な負担がないという特徴を積極的に活用していただきたいと思います。
また、法律的な解釈は定まってはいないようですが、リース契約後に、リース物件がユーザーの管理に移っても、リース物件の所有権がリース会社にあるということは、実質的に、リース物件が、ユーザーのリース会社に対するリース料支払い義務(リース債務)の担保になっているということになります。これは、銀行との融資取引では、動産担保が、あまり活用されていないことと比較して、リース取引においては、動産であるリース物件が、実質的な担保として活用されているということです。
このことは、銀行から融資を受けて設備を調達するとき、不動産担保など、融資の目的物以外の資産を担保にしなければならないこともあることから鑑みれば、大きな利点と言えます。リースについては、この他にも多くの利点がありますが、それらについては、次回、説明します。