[要旨]
リースには、中途解約不可という条件があり、一見、ユーザーには不利な条件と思われますが、融資を利用して設備を購入するときと同じ条件となります。むしろ、中途解約不可とすることで、リースが融資と同様の機能を果たしていると言えます。
[本文]
リース(ここでは、一般的なリース取引である、ファイナンスリースを前提に説明します)は、中途解約不可という条件があります。この、中途解約不可という条件は、一見すると、ユーザーにとっては不利な条件に思えるかもしれません。しかし、中途解約不可という条件は、むしろ、リースの特徴であり、中途解約不可だからこそ、リースのメリットを得られるということも言えます。
では、なぜ、そうなのかというと、融資を受けて機械の調達を行ったときのことを考えてみてください。融資を受けて購入した機械を、使い始めてみてから気に入らなかったという理由で、返品したり、融資の返済を停止することができるのかというと、それは不可能でしょう。(機械を転売し、その売却代金で、融資の一部を返済することはできますが、それは機械の売買契約を取消することではありません)
したがって、リースが中途解約不可という条件は、融資を受けて機械を購入するときと、条件面では同じであり、融資と比較して、不利であるとは言えないようです。前回、リースは融資のひとつの類型と言えると述べましたが、むしろ、リースに中途解約不可の条件があるからこそ、融資と同様の機能を発揮できていると、私は考えています。