鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

説得力のある説明

先日、ダイヤモンドオンラインに、組織コ

ンサルタントの秋山進さんが寄稿しておら

れました。


(ご参考→ https://bit.ly/2UxSoHe


記事の主旨は、「トップが決断した事業方

針について、現場にいる人は、『おや?』

と思うときがあるが、そういう場合であっ

ても、トップの意思決定にしたがうことが

望ましい。


なぜなら、トップの意思決定のもと、組織

の構成員が整合性のとれた行動をすること

のほうが、個人が個別の判断で行動するよ

りも、全体的には効果を生むことが多いか

ら」というものです。


私も秋山さんの考え方に賛成です。


よく会社の内部で起こりがちな対立は、営

業部門と管理部門での対立ですが、最終的

に社長が決断した方針に、両者とも不満を

持ってしまうということもよくあると思い

ます。


会社の個別の部門の担当者の考え方が、必

ずしも、独り善がりであり、または、誤っ

ているということではないのですが、どう

しても、その部門の立場での考え方が入っ

てしまう余地があるので、さらに上位の立

場で、社長が判断することが必要になると

思います。


すなわち、社長は、会社全体を俯瞰して判

断することが最も大切な役割であり、その

ような役割を持つことから、社内の他の誰

にも代わってもらえない立場でもあるとい

うことになると思います。


そして、秋山さんは、構成員がトップの意

思決定にしたがう前提として、つぎの要件

が満たされていなければならないとも述べ

ておられます。


すなわち、「責任者から利害関係者にしっ

かりとした説明がなされ、その意思決定が

全体に目配りの利いたものであり、実行可

能性も高い、期待効果の高いものであると

納得感をもって受け止められるものである

こと」というものです。


現場とトップで意見が食い違ったときに、

部下が抱いてしまう不満の原因は、なぜ、

社長がそのような決定をしたか、明確に説

明をしてもらっていないということがある

と思います。


そして、トップが説明できない方針は、多

くの場合は、きちんとした根拠がなかった

り、理不尽さを押し付けるものであるもの

でしょう。


確かに、自分の意思決定の理由を、きちん

と説明できるものにしたり、その説明をす

るということは、容易ではないこととは思

いますが、組織のトップになる以上、その

役割は果たさなければならないと認識する

必要はあると思います。


さらに、秋山さんは、現実には、前述のよ

うな要件は、なかなか満たされないとも述

べておられます。


だからこそ、もし、トップが矛盾すること

を述べても、なるべくそれに部下が従って

くれるようになるよう、トップになる人は

人間性が重要になるとも、秋山さんは述べ

ておられます。


今回、秋山さんの記事についてご紹介しま

したが、これはリーダーシップの在り方の

ひとつの事例です。


そして、ここに書かれていることは、コン

サルタントとクライアントの関係にも当て

はまる部分が大きいと私は考えています。


コンサルタントが、クライアントの会社の

事業改善について、何らかの方針を示した

ときに、必ずしも、クライアントの方は、

それに同意してくれるとは限りません。


だからこそ、コンサルタントは説明責任も

必要であるし、人間的な魅力も必要である

と考えています。


私自身も、まだまだ途上の状態にあります

が、少しでも自分の考え方の説得力が高い

ものとなるように研鑽して行かなければな

らないと、秋山さんの記事を読んで感じま

した。

 

 

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20200323203727j:plain