アルミ加工メーカー、HILTOPの副社
長、山本昌作さんのご著書「ディズニー、
NASAが認めた遊ぶ鉄工所」
( https://amzn.to/2QA3f0t )を拝読しま
した。
「遊ぶ鉄工所」というのは、同社を見学に
来た人が、従業員の方たちを見て遊びなが
ら仕事をしているように見える、まさに遊
ぶ鉄工所だという感想を述べたことによる
もののようです。
ところで、山本さんは、現社長で全聾の兄
とともに、同社の経営を父親から引き継ぎ
ましたが、引き継いだ当初は、自動車メー
カーの孫請けで、油まみれの工場だったそ
うです。
その詳しい経緯は同書をお読みいただきた
いのですが、その工場を「量産物は、やら
ない」「ルーティン作業はやらない」「職
人は作らない」という方針で変えていき、
現在は、「多品種単品のアルミ加工メー
変身させたそうです。
そして、同社を見学にきた同業者のある社
長は、「こんな設備があれば、24時間無
人加工は実現できるが、うちのように10
人しかいな小さな会社には無理」と述べた
そうです。
しかし、山本さんは、その社長は大きな勘
違いをしている、設備があるから夢工場が
実現できたのではなく、夢工場をつくるぞ
という想いを持ち続けたから、その設備を
完成できたと述べています。
もちろん、その想いを実現するには、相当
の苦労はありましたが、山本さんの場合、
下請けにならない、大量生産はしない、
ルーティン作業はしないという想いの方が
その苦労に勝ったようです。
ちなみに、この「想いが先」という考え方
は、山本さんに限らず、松下幸之助さんも
お話ししておられるもので、真新しい考え
方ではありません。
(ご参考→ https://goo.gl/HcwSSh )
しかしながら、強い想いを持つことで、会
社を変えてきた会社は、割合としては少な
いようです。
それは、山本さんの会社のような会社をつ
くることは、確かに容易ではないという事
情もあるでしょう。
かといって、現状を変えようとする意思も
もたない経営者は、土俵にものっていない
ことになると私は考えています。
厳しい言い方になりますが、自らの意志で
会社を改善しようとしない経営者は、ずっ
と、元受け会社の指示に従うことになり、
真に独立した会社とは言えないのではない
かということを、山本さんの本を読んで感
じました。
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