鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

決算書を読んで黒字にする

経営コンサルタントの竹内謙礼さんのご著

書、「200社に足を運んでわかったお客

さんがホイホイ集まる法則 」

( https://amzn.to/2HAUbV6 )を拝読しま

した。


ここには、竹内さんが直接会社経営者に取

材した成功事例が多数載っており、どれも

目をひくものなのですが、今回は、東京都

内の生花店の事例をご紹介したいと思いま

す。


その生花店は、店舗販売からインターネッ

ト販売専門に販売方法を変えたものの、利

益が出ない状況が続いていたそうです。


そこで、このままでは売上を伸ばしても利

益は出ないのではないかと社長は考え、会

計を勉強して決算書を見直したそうです。


その結果、生花の仕入れ代金は変動幅が大

きく、利益管理を困難にしているというこ

とが分かったそうです。


そこで、同社では花の価格の変動する生花

市場からの仕入れをやめ、直接、花の生産

者から仕入れることにしたそうです。


その結果、安定的な利益を得られるように

なった上に、付加価値を高めて販売する戦

略も実践できるようになったということで

す。


この事例で、竹内さんは、会社経営者は、

決算書の数字を軽んじる傾向にあるとご指

摘されておられます。


経営者の方の中には、自分のやり方が正し

いと思い込んでしまう人も少なくないの

で、そのような方は、客観的な数値で表さ

れる決算書を読んで事業運営を判断しない

ので、事業が赤字に陥ってしまいやすいと

いうことです。


そこで、前述の生花店のように、決算書を

見て事業運営を判断すれば、利益を得る精

度が高まるということです。


今回、私が、この生花店の事例を引用した

理由のひとつは、実は、決算書を軽んじて

いる経営者、または、決算書を遠ざけてい

る経営者は少なくないと感じたからです。


経営者の方の多くは、自分のやりたいやり

方で事業を運営したいと望んでいたり、ま

た、それが起業の動機となっているので、

そのことを直接批判はできません。


ただし、自らが選択した方法が奏功しなけ

れば、それは修正する必要があります。


そこで、事業が芳しくない会社では、最低

限、決算書の数字と向き合うことは避けら

れないということです。


もし、自分のやりたいことはやるけれど、

その結果に責任を持たないということであ

れば、それは、経営者としては失格でしょ

う。


もうひとつの理由は、「景気回復の恩恵を

感じられない」という経営者の方は多いも

のの、竹内さんがご著書で紹介している会

社のように、きちんと利益を得ている会社

もあるということです。


しかも、利益を得ている会社は、特別なこ

とをしている訳ではないということです。


前述の生花店の場合、決算書を見て対策を

講じた結果、仕入れ先を変更しただけに過

ぎません。


このように、私は、「景気回復の恩恵を感

じられない」会社があったとしても、万策

が尽きているとは考えていません。


何らかの工夫の余地はまだまだ残っている

と思います。


今回引用した生花店以外にも、竹内さんの

ご著書で紹介された他の事例も、難しいこ

とを実践しているわけではありません。


もう少し足もとを見ることで、業況が芳し

くない会社であっても、現状を変えること

は可能だと、私は考えています。

 

 

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