銀行は、融資申込を受けた会社について、
過去3か年以上の業況と、前回の決算から
融資申込のあった日の前の月までの月次決
算の推移を見て融資審査を行うということ
は、多くの方がご存知でしょう。
ですから、いわゆる「融資対策」を行うと
すれば、普段からよい業績を出し続けなけ
ればならないということも明らかです。
しかしながら、融資申請のご相談を受ける
方の中には、融資を受ける時だけお手伝い
をして欲しいという方もいます。
このような場合、私が関わることができる
のは、「融資の申請」だけということにな
ります。
依頼する側も、それは承知してのことだと
思うのですが、「融資の申請」だけのお手
伝いは、私としてはあまり意味がないと感
じています。
その理由は、冒頭に述べたとおり、毎日、
そして、毎月の業績を向上させようとする
努力の積み重ねが、融資審査に関わるから
です。
とはいえ、新たに融資を受けなければなら
ないというときになって「どうしたらよい
のか」と悩む経営者の方は少なくありませ
ん。
これは、例え方がよいとはあまりいえませ
んが、高校生が一夜漬けだけの試験勉強で
試験に臨むようなものです。
そういう私も、高校生の時は一夜漬けの試
験勉強で試験を受けたことがあるので、あ
まり偉そうなことは書けないのですが、い
ずれにしても、その場しのぎはよくないと
いうことが今回の結論です。
ただ、その場しのぎはよくないということ
は誰でも分かることで、それを指摘するこ
とも、あまり意味があるとはいえません。
それでは、その場しのぎをしないようにす
るにはどうすればよいのでしょうか?
それは、ことの軽重を明確にするというこ
とです。
そして、ことの軽重を明確にするには、
しっかりとした価値観を身に付けなければ
なりません。
他人のやっていることに左右されやすい
と、事業やその管理が成行きになってしま
います。
融資をする側も、いつまでも成行きの状態
が続いていて、きちんとした管理ができな
い経営者の方は、その能力に疑義を抱くこ
とになります。