鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

情報技術は道具

情報技術(IT)は道具(ツール)に過ぎ

ないということは、誰でも理解しているこ

とでしょう。


すなわち、ツールは、それを入手しても、

それだけで目的が達成されるわけではない

のですが、それでも、ITを採り入れれば

目的が達成されると思ってしまう方、また

は、何とかなるのではないのかという淡い

期待を持っている人は現実には多いと感じ

ています。


では、事業を成功させるには、IT以外に

何が必要になるのでしょうか?


そのひとつは経営戦略、または、ソリュー

ションです。


すなわち、ITをどのように活用するのか

という目的ありきで採り入れるという当然

のことです。


この目的にもふたつあり、ひとつは、合理

化で、もうひとつは、いままでは実現でき

なかったような競争力の高い経営戦略の実

現です。


また、このふたつを同時に実現する場合も

あります。


その顕著な例は、サプライチェーンの実現

です。


マクドナルド、サイゼリヤユニクロ、ニ

トリなどは、業種・業態は異なっていても

このサプライチェーンを如何に精緻なもの

にしていくかということを行っているとい

う点で共通しています。


いわば、ライバルとは、サプライチェーン

の巧緻の差で競争しているとも言えます。


しかし、経営資源の少ない中小企業では、

このようなサプライチェーンを実現するこ

とは現実的ではありません。


とはいえ、情報技術を上手に活用している

例はたくさんあります。


その中から、私がひとつの例を選ぶとすれ

ば、徳島県にある、葉っぱビジネスで有名

な、株式会社いろどりです。


(ご参考→ https://goo.gl/2nGN


同社のホームページには次のような記載が

あります。


「葉っぱビジネスのポイントは、商品が軽

量で綺麗であり、女性や高齢者でも取り組

めることです。


現在の年商は2億6,000万円。


中には、年収1,000万円を稼ぐおばあ

ちゃんもいます。


それを支えるのはパソコンやタブレット

末で見る『上勝情報ネットワーク』からの

情報です。


決まった数量を毎日出荷するのではありま

せん。


おばあちゃん達はパソコンやタブレット

末を駆使し、『上勝情報ネットワーク』か

ら入る全国の市場情報を分析して自らマー

ケティングを行い、栽培した葉っぱを全国

に出荷するのです。


『上勝情報ネットワーク』では自分が町彩

部会で何番目の売上を上げているかの順位

が分かるようになっているなど、農家さん

のやる気を出させる“ツボ”をついた情報

を提供しています」


すなわち、いろどりでは、情報技術で、ど

のような需要があるのかということを、お

ばあちゃんたちに知らせること、それを、

マーケティング分析に使わせること、おば

あちゃんたちの順位を表示して士気を高め

ることによって、高額所得者を輩出してい

ます。


ただ、同社の使っている情報技術は、もの

すごく高度なものではないと私は考えてい

ます。


恐らく、一般的に販売されている、グルー

プウェアで実現できるものだと思っていま

す。


それでも高い効果を実現できるのは、優れ

た戦略があるからでしょう。


同社の成功例は、ツールよりも戦略が大切

という好事例だと思います。


そして、もうひとつ大切なことがありま

す。


それは、情報技術リテラシーです。


情報技術リテラシーとは、コンピューター

や、ソフトウェアを上手に使いこなす能力

のことです。


(情報を効率的に探し出し、使いこなすこ

とができる能力を指す、情報リテラシー

は意味が異なりますのでご注意下さい)


いろどりでは、60歳を過ぎたおばあちゃ

んにパソコンの使い方を教えて、どんどん

上達させることができるそうです。


本題からそれますが、同社の最大の強みは

その教育方法ではないかと私は考えていま

す。


話しを戻して、今回の結論は、情報技術は

ツールに過ぎず、そのツールを使って競争

力を高めるには、適切な戦略と、情報技術

リテラシーがともなうことが要件になると

いうことです。


もちろん、私がコンサルティングを行うと

きは、戦略立案や、情報技術リテラシー

醸成もお手伝いしながら、情報技術の導入

で競争力を高めるようご支援を行っていま

す。

 

 

 

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