会社を設立して、事業が軌道に乗り
始めるころまでは、銀行から融資の
セールスを受ける機会が多いと
思います。
特に、いまは、銀行も収益機会を
増やそうと懸命になっているため、
創業準備段階からアプローチを
受けることもあります。
もちろん、融資を受ける側からは
それはありがたいことなのですが、
私は、油断は禁物だと思っています。
銀行から見て、創業時と黎明期の
会社への融資は、信用保証協会の
保証を付けやすい、金額は比較的
少額のいずれか、または両方の
条件で融資を受けることになる
でしょう。
これは、銀行から見れば、リスクが
小さいということです。
すなわち、うまみのある融資という
ことです。
そこで、「油断は禁物」と前述した
理由は、銀行もリスクをともなう
融資を申し込んだときに、銀行は
それに応じてくれるかどうか、
疑わしいということです。
「これまで銀行が融資をセールスして
くれているから、自社は銀行から
評価されている。
これからも、融資を依頼したらすぐに
応じてもらえるだろう」と考えている
場合、必ずしもそれに応じてもらえない
かもしれないということです。
特に、創業後、1~3年は、赤字を計上
しても、大目に見てもらえるのですが、
3年を経過しても赤字が続くようで
あれば、将来の見込みはないと判断
され、新規融資は応じてもらえない
可能性があります。
また、黒字であっても、融資額が
5,000万円程度を超えてくると、
信用保証協会の保証枠の残りが少なく
なってくるので、このような段階で
追加融資を依頼すると、銀行側は、
信用保証協会の保証がなくても融資を
するかどうかということを検討する
ことになります。
このような段階になって、初めて
銀行は自らのリスクで融資を行う
という前提で審査を行うことになり、
その結果で銀行の自社に対する真の
評価が分かることになります。
もちろん、業績のよい会社、将来性の
ある会社は、銀行からも評価を得る
ことができます。
しかし、事業規模の小さいときに、
銀行から融資セールスを受けていた
からといって、自社の方針や業況を
銀行へきちんと伝えるという対応を
怠っていると、銀行からは手のひらを
返すような対応をされるかもしれない
ので、油断しないように注意しましょう
ということが、今回の結論です。