鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

大企業勤務の薦め

起業をした方の中には、いったん、

大企業に勤務されたのちに、独立したと

いう方が少なくありません。


起業するには、必ずしも大企業に勤務する

経験が必要ではありませんが、可能で

あれば、大企業に勤務することをお薦め

したいと思います。


では、なぜ、大企業での勤務を薦める

のかというと、そのひとつは、会社と

しての規則を学ぶことができるという

ことです。


会社は組織として事業活動を行いますが、

そのためにはいろいろな規則があります。


対外的には法律や契約書があり、内部に

ついては、職務分掌規定、職務権限規程、

稟議規定、経理規則、就業規則などが

あります。


多くの人をたばねて活動するには、

これらの規則が欠かせませんが、中小

企業では、規則はあまり意識されて

いません。


就業規則など、法律で義務付けられて

いるものもあります)


中小企業では、阿吽の呼吸で意思が

伝わることが多いので、規則の必要性を

あまり感じないことがありますが、

徐々に組織が大きくなってくると、

規則を作らざるを得なくなり、その時に

なって苦労して作ることになるでしょう。


もし、社長が大企業で勤務した経験が

あると、規則の必要性を認識し、早い

段階で規則作りに取り組むことが

できるでしょう。


そして、ここで付け加えておきたい

ことは、規則を理解したり、規則の

必要性が理解できれば、会社の仕組みも

理解できるようになるということです。


もし、これを理解せずに会社を起こした

場合、雇い入れた従業員や取引先との

関係は、人間関係だけの取引になり易く

なってしまうでしょう。


つぎに、大企業に勤務することを薦める

理由のふたつめは、多くの会社と接触

できることです。


独立して最初にぶつかる壁は、「看板」が

ないことです。


しかし、大企業に属しているときは、

会社の看板で、多くの会社と、しかも、

社長や重役とも話ができる機会に恵まれ

ます。


もちろん、会社を退職すれば、看板が

なくなるので、起業してからは、かつての

取引先の人たちとは接触できなくなり

ますが、それでも、大企業勤務時代に

取引先とお話ししていた経験は、独立後も

大いに役立ちます。


それは、取引先の属する業界の事情や

その会社の仕事の仕方などの知識を

学んだり、取引先の経営者との接し方

などを経験したりすることは、大企業の

従業員でなければできないことでしょう。


ただし、必ずしも、大企業の勤務経験が、

起業にとってよいことにつながるとは

限りません。


例えば、クリエイティブ系の事業は、

従来の会社の経営の方法にとらわれる

ことは、あまり好ましくないでしょう。


ただ、製造業や小売業といった事業に

ついては、大企業の勤務経験が役立つ

ものと思います。


学生の方などで、会社を起こそうと

考えている方は、大企業の勤務ののち、

独立することもぜひご検討してみては

いかがでしょうか?

 

 

 

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