3月に出版する本の原稿が、残り約20
ページとなり、編集者の方から「13日
までに、残りの原稿をすべて送って
ください」と、最後通告を受けたところで
ふっと思い出したことがあります。
それは、その編集者さんと最後にお会い
したのはいつだろうということです。
思い出してみると、前回お会いしたのは、
前回出版した本ができあがり、それを
受け取りに出版社へ行った時以来でした。
その後は、「また、本を書いて欲しい
ので、書けそうな内容で企画書を提出
して欲しい」という電子メールが届き、
何度かやり取りをしてGOサインが
出たため、執筆を開始したという
次第です。
ということは、今度の新刊は、編集者の
方とお会いすることなく、書いている
ということです。
私の方は、それで不都合はないのですが、
出版社とすれば、1冊の本を出すという
のは、500万円以上の投資をすると
いうことでもあるので、そのような投資の
決断が、電子メールだけで決まったという
ことに、改めてありがたさを感じました。
今回の記事の結論は、組織にとって
コミュニケーションはとても大切なの
ですが、その負担が少なくてすむと、
ビジネスを加速させることになると
いうことです。
恐らく、多くの中小企業の経営者の方は、
従業員の方とのコミュニケーションの
確保に気をつかっていると思います。
そして、それは、経営者にとって、避ける
ことのできない役割だと思っています。
しかし、社長の考え方というものが
従業員の頭の中に染み込めば、あまり
言葉にしなくても社長の意思が伝わる
ようになります。
いわゆる、マニュアルの要らなくなる
状態で、このような動きができるように
なっている状態を「価値前提」といい
ます。
社長の柳井正さんが「マニュアルは
従業員をバカにする」とお話しされて
いるのも、このようなことだと思います。
中小企業の経営者の方は、どうしても
今月、今年の売上を得ることに目が
行きがちですが、時間がかかっても、
こういった価値前提の動きができる
ことを目指すことの重要性が年々
高くなっていると私は思っています。