鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

業績を向上するにはどこを改善すべきか

私は、お手伝いをしている会社さまから、

「あなたは、私たちの業界や事業のことを

よく分かっていないようですね」と

言われることがあります。


私が、お手伝いしている会社さまの

業界や事業のことについて、

詳しく知っていることに越したことは

ありませんが、

冷静に考えてみると、

常に事業に携わっている方に比べて、

コンサルタントがそのことに詳しいと

いうことも考えにくいと思います。


そうであるにもかかわらず、

そのような言葉が出てくるのは、

「自分たちの方が、自社の事業について

詳しいのだから、詳しくないものからは

口を出して欲しくない」という意図が

あるからでしょう。


もちろん、私が提案する改善策は、

必ずしも100点とは言えませんが、

とはいえ、必ずしも、

事業に詳しくない人が考えた改善策は

よい改善策ではないとも限らないと

思います。


ここで述べたいことは、

事業に詳しい人が考えた改善策が

よい改善策だということであれば、

事業について学べばよいことに

なります。


でも、現実には、業績の改善は、

その事業に詳しい人が考えたり

実践したりしているものとは

限りません。


極端な例かもしれませんが、

日本航空の再生をした稲盛和夫さんは、

飛行機の操縦をできるパイロットでは

ありません。


また、前武雄市長の樋渡啓祐さんは、

赤字の続いた市民病院を

民間の医療法人に委譲して、

黒字化させています。


もちろん、

樋渡さんは総務省の元官僚であり、

医療現場に精通していたわけでは

ないでしょう。


すなわち、

業績をあげられるのは、

その事業に精通している人とは

限らないのです。


ただ、

組織としての能力は高いのに、

事業そのものに問題があり、

業績があがらないこともあります。


そういった場合は、

その事業に精通している人が

事業の改善案を考え出すことが

妥当でしょう。


結論としては、

事業の改善が必要というときは、

どこを改善するべきかという

ところから出発しなければ

なりません。

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