鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

倒産する会社は銀行だけでは救えない

[要旨]

2017年に倒産した、山梨県の地場スーパーのやまとは、倒産するときまで銀行からの資金繰支援を受け続けることができていたにもかかわらず、信用不安により、仕入先から商品を卸してもらえず、そのことがきっかけで、倒産にいたりました。したがって、業績が悪い時は、銀行からの支援を受けることだけでなく、総合的な対策が必要になります。


[本文]

昨日、2017年12月に倒産した、山梨県の地場スーパー、やまとの、元社長へのインタビュー音声を、ポッドキャスト番組で配信しました。今回の内容は、小林さんが社長を引き継いでから、業績を回復し、事業を拡大したあと、小林さんの活躍を面白く思わない会社から目の敵にされ、やまとがピンチに追い込まれていった様子をお話しいただきました。そして、ついに、2017年12月に、やまとは信用不安から倒産してしまうのですが、実は、やまとは、倒産するときまで、銀行からはずっと支援を受け続けている状態でした。

それにもかかわらず、やまとには悪いうわさが流され続け、それが積もって、卸売会社などからの商品の仕入れを停められてしまったわけです。これについては、小林さんご自身もお話しされておられましたが、仕入先の動向などを、小林さんはきちんと把握していなかったことから、対策を講じていなかったようです。もちろん、会社の倒産のきっかけは、銀行側が支援を打ち切ったときという例もあります。

でも、やまとのように、銀行による金融支援を受けさえしていれば、倒産を免れるということではありません。業績が悪い時は、経営者の方は、銀行から支援を受けるための交渉だけで、手がいっぱいになるということも多いと思います。しかし、繰り返しになりますが、銀行からの支援を受けてさえいればよいということではありませんので、総合的な観点から対策をとることが大切です。

2021/11/8 No.1790

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