[要旨]
経営者の方は、自社の経営環境が、必ずしも順風満帆の状況ではないことから、自分は不運であると感じることが少なくないようです。しかし、「結果はすべて自分次第」と考えれば、能動的に経営に臨むことができ、よい結果をもたらすことにつながります。
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マーケティングコンサルタントの平野友朗さんのメールマガジンを読みました。要旨は、平野さんが5年半の会社員生活を経て27歳で起業したときは、会社員時代のようなつらい仕事から早く解放されるために、40歳で仕事をやめることを目標にしていたようです。しかし、起業してからは、仕事をしていても、会社員時代のようなつらさは感じなくなったそうです。
むしろ、工夫次第で自分の望む結果が手に入る、すなわち、結果はすべて自分次第ということがわかり、仕事が楽しくなってきたことから、逆に、引退したくなくなったというものです。この平野さんの事例からは、いくつものきづきを得ることができると思いますが、私は、自分の目標は自分で決めることが大切ということを感じました。
これは、私が銀行職員時代に、融資相手の会社の経営者の方たちと話をしていて感じたことなのですが、割合としては多くありませんでしたが、経営者の方の中には、自分たちの境遇を嘆いている人たちがいました。例えば、自分は、親から建設会社の経営を引き継いだが、建設業界は逆風が吹いており、自分は割を食うことになった、というようなものです。このような話をきくと、同情できる面もあるのですが、後から考えると、必ずしもそうではないとも思えるようになりました。
なぜなら、建設会社であっても黒字の会社はあるし、建設会社から業種を変えて業績を伸ばしている会社もあるからです。ただ、人は、私を含めて、苦境にいるときは、その原因を自分以外のところに求めたくなるので、前述の社長は、親から業績の悪い会社の経営を引き継がされたという、受け身の被害者的な発想になっていたのでしょう。でも、自分は親から業績の悪い会社の経営を引き継いだが、業績を回復させるという偉業を達成できる機会をもらったと考えることもできます。
すなわち、現状を他人の責任にしている間は能動的に動くことができませんが、平野さんのように、「結果はすべて自分次第」と考えることができれば、能動的に動くことができるようになり、それは、自ずと、成果になってあらわれるようになると思います。ただ、私自身もそうだったのですが、このような考え方は、頭では理解できても、なかなか実践できないという方も少なくないと思います。では、どうすればよいのか、また、それはまた別の機会に述べたいと思います。
2021/11/7 No.1789