鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

システム障害の原因は組織のスキル低下

[要旨]

みずほ銀行のシステム障害の原因は、システムそのものよりも、それを利用する組織のスキルに問題があったようです。したがって、これからは、情報技術をきちんと管理できるような組織のスキルを高めることが、経営者に求められています。


[本文]

日本経済新聞の報道によれば、3月に起きたシステム障害について、みずほ銀行が3月31日に金融庁へ提出した報告書には、「制御などに関する組織的なスキルやノウハウが低下するとともに、横断的なチェックや統制が十分に機能しなくなっていた」と書かれていたそうです。

しかし、このような報告に対して、既視感を感じる人は少なくないと思います。そうでありながら、同じことが繰り返されていることを、残念に思います。このみずほ銀行の障害に関し、日経BP社の木村岳史さんが、「『絶対に止めるな』は絶対に間違い」ということを記事で書いておられました。

すなわち、「絶対に事故を起こさないように対策を施したことで安全神話が生まれ、本来、事故が起き得ることを前提にしなればいけないのに、『起こらない』が前提になる」と指摘しています。このような誤りは広く認識されているのですが、大きな組織では、縦割りの弊害からか、それが起こりがちではないかと感じています。7payの不正チャージや、ドコモ口座を悪用した不正出金などは、記憶に新しいでしょう。

これらは、システムの不具合というよりも、管理者層のリテラシーの問題といえます。これからは、情報技術を十分に活かすことができるかどうかも、経営者にとって重要な能力であり、ライバルとの差を広げる要因でもあることから、みずほ銀行の事例を他山の石として、会社全体の情報技術に関するスキルを高めることを、さらに強く意識して行っていただきたいと思います。

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