鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

事業再構築補助金の申請の壁は高いか?

[要旨]

現在、事業再構築補助金に関する注目の度合いが高まっていますが、新たな事業を始めるには、事業の企画力、計画遂行能力が大切です。それらの能力が高い会社ほど、補助金を活用できる機会が増えるので、会社の管理能力を高めることの重要性は、ますます高くなっていくものと思われます。


[本文]

事業再構築補助金の申請のご相談を受けていて感じることなのですが、補助金を申請することそのものに、ある程度の労力が必要とされています。とはいえ、事業再構築補助金補助金額は数千万円と大きいので、それに応じた、きちんとした手続きが求められることは、当然でしょう。

また、補助金額相当の利益を得るための労力と比較すれば、補助金の申請のため労力は、大きくないと思います。このような面からは、補助金の申請は、ある程度の労力がかかるとはいえ、中小企業にとってはありがたい制度だと思います。とはいえ、補助金の申請手続きは、慣れていない経営者の方は多いと感じますし、私もそれは理解できます。

しかし、事業再構築補助金を受け取れるかどうかは、申請の手続面だけでなく、事業に関する企画力や、計画の遂行能力も必要です。すなわち、補助金の申請手続きについては、外部の専門家に任せることができるとしても、妥当な事業を企画する能力や、それらを着実に実践する管理能力は、外部に委ねることができる部分は少なく、経営者の方が中心になって担わなければなりません。

そして、これらの能力は、事業再構築補助金の申請のためだけに必要となるものではなく、日常的に必要とされる能力であり、それらが備わってる会社の方が、業績が向上することは間違ないでしょう。そのような状況に加え、企画力や管理能力がある会社は、政府が補助金を募る機会を活用し、さらにライバルとの差をつけることになるものと、私は感じています。

だからといって、独力で補助金を受け取ることができない会社が、直ちに問題があるということではありません。でも、会社の業績を伸ばすには、営業活動や生産活動だけでなく、管理活動も重要であり、今後は、その重要性に占める管理能力の比重は大きくなっていくことは間違いないでしょう。事業再構築補助金のご相談を受けながら、改めてこのことを感じています。

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